AI時代の人生戦略
2017年02月27日
付箋数:20
アメリカ国立科学財団(NSF)によって
使い始められた言葉で、バラク・オバマ大統領
の時代に注目を集めた「STEM」。
STEMとは、
サイエンス(科学)の「S」
テクノロジー(技術)の「T」
エンジニアリング(工学)の「E」
マセマティックス(数学)の「M」
を並べた造語です。
これにアート(美術)の「A」を加えたのが、
成毛眞さんが必須と説明する「STEAM」。
テクノロジーや人工知能の発達によって、
今ある仕事が将来なくなっていくとは、
よく言われることです。
オックスフォード大学のマイケルオ・ズボーン
准教授は、今後10~20年間に現在の約47%の
仕事が機械に代替されると予想しました。
STEAMを知っているかどうかが、
今後、人工知能やロボットを「使う側」と
「使われる側」の分かれ道になると言います。
「三角関数も二次方程式もわからない人が、
これから急速に社会に浸透してくる
人工知能(AI)やロボットを “使う側” に
回れるとはとても思えない。
あなたはAIに “使われる側” になりたい
だろうか?」
これまでの人生、高校以降は理数系を
完全に避けて通ってきた人も多いはず。
しかし、これまで通り理数系を避けたまま、
人生の逃げ切りが許されるのは、
今現在、50代よりも上の世代だけ。
それよりも若い世代は、もう1度STEAMを
学ぶべきと、成毛さんは言います。
では、どのようにして学べばいいのか?
あらためて学校に通う必要はありません。
「独学だ。独学で十分なのだ。
基本的にこれからの学びは高等教育でこそ
自習になると思う。
といっても、参考書を読んだり、
通信制大学・大学院の “放送大学” を
視聴したりする必要などない。
いきなり難しいことを学ぼうとすると、
高校時代と同じになってしまう。
まずは身近なサイエンスやテクノロジーを
肌で感じることが先決だ。
それで面白さを実感し、自ら率先して
詳しくなりたいと思うように、
自分をしかける。そうすることが、
遠回りなようで近道である。」
成毛さんは、まず、プレイステーションVRを
体験することを勧めています。
このVRを早く体験するかどうかが、
人生の分かれ道になるとまで言います。
その上で、テレビ、雑誌、本などから
STEAMについて学びます。
テレビでは、ハードディスクに録画した
サイエンス系の番組を1.3倍で再生します。
雑誌は、『ナショナルジオグラフィック』、
『ニュートン』、『日経ものづくり』や
ビジネス誌などがお勧め。
本では、ノンフィクションばかりでなく、
フィクションのSF小説も推奨されています。
本書では「残酷な10年後に備えて
今すぐ読みたい本」として26冊の
STEAMを学ぶ本が紹介されています。
また、文部科学大臣補佐官の鈴木寛さん
との対談と、堀江貴文さんとの対談も
掲載されています。
本書は、興味を引く話題には富んでいますが、
それほどSTEAMについて深く掘り下げた
本ではありません。
文系の方が理数系に興味を持つきっかけに
読むのがいいかもしれません。

成毛さんが推薦する、STEAMを学ぶのに
適しているSF小説は以下の6冊です。
・『銀河ヒッチハイク・ガイド』
・『エンダーのゲーム』
・『異星の客』
・『順列都市』
・『しあわせの理由』
・『星を継ぐもの』
この中で、『銀河ヒッチハイク・ガイド』は
イーロン・マスクさんの、『エンダーのゲーム』は
マーク・ザッカーバーグさんの愛読書です。
Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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