活かす読書
ikadoku

ビジネス書・ベストセラー本・科学本を中心に13年以上、ひたすら本を紹介し続けるブログ。既に紹介した本は3700冊以上。

会話がはずむ雑談力

2017年02月25日
コミュニケーション 0
満足度:★★★
付箋数:23

2010年4月に刊行されて大ベストセラーになった
齋藤孝さんの『雑談力が上がる話し方』。

これに続いて、2014年4月に刊行された
雑談力が上がる大事典』は実践編という
位置づけでした。

本書は、この「雑談力」シリーズ最新作で、
正統的な続編に当たる本です。

  「前著『雑談力が上がる話し方』で、
   “雑談のベストタイムは30秒” という話を
  書きましたが、雑談はもっと短い時間でも
  十分に成立することに気づきました。
  そこで、この本は、雑談を次のように
  定義したいと考えます。
  雑談のベストタイムは “30秒” 。
  そして、雑談になり得る時間の
  最小単位は “10秒” 。
  10秒あれば、誰もが雑談できる。
  逆に言えば、雑談は10秒で十分なのです。」

本書で齋藤さんが教えるのは、「10秒」で
しっかり成り立つコミュニケーション。

例えば、マンションのエレベーターでの
こんなやり取りです。

 A 「お出かけですか、どちらまで?」
 B 「中学の同窓会に。20年ぶりなんですよ」
 A 「それは楽しみですね。いってらっしゃい」

この10秒というのが、雑談にとっては絶妙で、
ほんのちょっとの「すきま時間」を
「気まずい時間」から「心地よい瞬間」に
変えることができます。

本書の10秒雑談は、次の3ステップから
成り立っています。

 ステップ1 声をかける
  軽い「あいさつ」で相手の警戒心を解きます。

 ステップ2 話す
  「+アルファ」で場の空気をほぐします。

 ステップ3 別れる
  「ではまた」とサッと切り上げます。

ここで雑談が苦手な人が困るのが、
ステップ2の「+アルファ」で何を話せば
いいかです。

ここでは、「今日も寒いですね」などの
「とりとめのない」話しがベストです。

相手との距離を縮める「+アルファ」。

この何気ない会話をするために、
本書では、3つのルールを示しています。

 ルール1 中身がないことに意味がある
    ―だから誰とでも話せる

 ルール2 結論はいらない
    ―「白黒つけない」から傷つけない

 ルール3 サクッと切り上げる
    ―「長引かせない」から後を引かない

「お盆だから、電車は空いてますね」
「選挙が近いから毎日にぎやかですね」
「この踏切なかなか開きませんね」

このように内容だけ見れば、
「だからどうした」というレベルの話が、
雑談には丁度いい。

正確に伝えなければならないことや、
しっかり聞かなければならないことは、
何もありません。

同じ場所、同じ時間の空気を共有できれば
それで十分なのです。

  「いかに中身のない話ができるか。
  世の中の9割を占める中身のない雑談にこそ、
  人と人とのコミュニケーションにおける
  本当に大事なポイントが存在しています。」

私は雑談が苦手ですが、本書を読むと、
これまでは頑張って中身のある話を
しようとしていたのかもしれません。

「雑談は中身がないことに意味がある」
という考えは、私にとって大きな発想の
転換になりました。

この本から何を活かすか?

相手に気持ちよく話させる「相づち」

 同意 : 「なるほど」「確かにそうですね」
 共感 : 「すごくわかります」「ですよねぇ」
 驚き : 「え~信じられない」「マジですか」
 称賛 : 「すごい、すごい」「さすがですね」
 促し : 「でどうなりました?」「それから?」

無理して自分から話そうとせず、
相手を否定せずに、いいタイミングで
合いの手を入れるだけでも、
雑談は十分に成立するようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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