日本人の9割が間違える英語表現100
付箋数:21
「日本に来てから、長い年月が経過しました。
この間、インターネットの普及などにより、
日本語のなかに多くのカタカナ英語が入り込み、
英語に親しみをもつ日本人が増えたようです。
しかしながら、いまでも変わらないものが
あります。それは “日本人の英語” です。
日本人の話す英語のなかに、
脈々と受け継がれている勘違いが数多く
存在するのです。」
著者のキャサリン・A. クラフトさんは、
アメリカ・ミシガン州生まれで、オハイオ州で
育った英語のネイティブスピーカー。
1985年に、南山大学交換留学生として来日し、
現在は、オンラインマガジン「ET PEOPLE!」
を発行する傍ら、通訳、翻訳者、英語科講師
として活躍しています。
クラフトさんは、英語を間違えること自体が
悪いと言っているわけではありません。
日本人が英語を習得していく過程で、
数多くの間違えることは、必要な通過点
だからです。
しかし、日本人がよく使う英語の中には、
コミュニケーションに支障をきたすような
勘違いが含まれていると言います。
それは、意図したこととは別の意味で
ネイティブに伝わってしまう英語です。
完全に伝わらないならまだしも、
別の意味で伝わってしまうから、
余計に厄介なのです。
「本書は、日本人の9割が勘違いしている
と思われる英語を遡上にのせ、それを
ネイティブがどのように感じるかを
論じたものです。また、意味や解釈の
ズレを指摘して、意図したことがちゃんと
伝わるように、ネイティブ流の英語に
修正して提示してあります。」
本書で指摘されている英語の誤用は、
英語を勉強した方なら、さすがに「9割」も
勘違いしていることはないと思います。
しかし、カタカナ英語として日常的に
使われるため、ネイティブにも通じると、
勝手に思い込んでいる表現が多いのです。
代表的な例は「ドンマイ」。
「日本へやってきたころ “ドンマイ” なる
言葉をあちこちで聞いて、何度も首を
かしげたものです。 “気にするな” という
意味だということはやがてわかったのですが、
どうしてこの奇妙な英語が日本中に浸透して
しまったのでしょう。」
そもそも、「Don't mind.」という表現が
英語にはありません。
実際に英語にある表現は「Never mind.」や
「Don't mind me.」です。
しかし、「Never mind=大したことじゃない
から気にとめないで」で、「Don't mind me
=「私のことは気にしないでください」
というニュアンスなので、これも間違いです。
ちなみに「Never mind.」は次のような
シーンで使います。
A : What did you say?(いま何て言った?)
B : Never mind.(なんでもない)
日本で「ドンマイ」を使う場面とは
明らかに違うのです。
正しく、ネイティブにも伝わる表現は、
「Don't worry about it.」です。
これ自体は、かなりの日本人が知っている
表現ですが、「ドンマイ」があまりにも
浸透しずぎて、正しい表現を習っていても、
とっさに出てこないのでしょう。
本書は昔からよくある種類の本ですが、
スッキリとまとめられているので、
一度自分の英語をチェックしてみるには
丁度いい本だと思います。

本書の編訳者、里中哲彦さんがオススメする
英語学習法は「海外ドラマを観る」こと。
日本では、アメリカ産のTVドラマを数多く
観られるので、これを英語学習教材として
利用しない手はないと推奨しています。
観るときは、漫然と観るのではなく、
リスニングの勉強に役立てようという
気持ちで、臨むことがポイントのようです。
Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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