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読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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最後の資本主義

満足度★★★★
付箋数:24

  「大企業のCEOや金融界のトップトレーダーや
  ポートフォリオマネージャーは、
  インサイダー情報を使って自らの取り分を
  膨らませつつ、企業収益を増大することが
  できるような市場ルールを推し進め、
  自分たちの報酬を自分たちで効率よく
  決めている。
  一方、平均労働者の給与は政治面でも
  経済面でも対抗できる影響力を失ったために、
  ずっと上がらないままだ。」

これはアメリカについて述べられた文章ですが、
日本でも対岸の火事ではありません。

フルタイムで働いても貧困から抜け出せない
「ワーキング・プア」。

日本でもこの言葉を聞くようになって、
しばらく経ちますが、これと真逆の層に、
「ノンワーキング・リッチ」があります。

増えているのは、ワーキング・プアだけでなく、
ノンワーキング・リッチも増えています。

この両極端の層が増えているということは、
もはや報酬が努力と連動していないことを
意味しています。

今の資本主義下では、明らかに二極化が
進んでいます。

このままで、資本主義は大丈夫なのか?

現在の自由市場のメカニズムはどうなっていて、
何が原因で二極化が進んでいるのか?

今の市場のルールは、富裕層だけが勝ち続け、
富が一方的に増える仕組みになっています。

富裕層が富を得た後で、その再分配について
議論しても、根本的な問題の解決には
なりません。

最初の市場のルール自体を変えなければ、
継続性のある社会は築けないのです。

資本主義そのものを見直す時期にきています。

原題『Saving Capitalism(資本主義を救え)』。

邦題の『最後の資本主義』よりも、原題の方が
しっくりくるような感じがします。

本書の著者は、米政治経済学者で文筆家の
ロバート・B・ライシュさんです。

ハーバード大学ケネディスクール教授、
ブランダイス大学社会政策大学院教授、
カリフォルニア大学バークレー校公共政策大学院
教授を歴任し、ビル・クリントン政権では
労働長官を務めた方です。

1991年の著書『ザ・ワーク・オブ・ネーションズ
では、格差社会の到来を予言しました。

2007年の著書『暴走する資本主義』では、
大企業が政治活動に大きな影響力を持ち、
民主主義を脅かすまでになっていることを
指摘しました。

ライシュさんは本書で、格差社会を
生み出しているルールの作られ方と向き合い、
資本主義を希望ある仕組みとして、
もう一度、蘇らせる方法を提示します。

その方法とは、現在、ゲームのルール作りに
対する影響力を失っている圧倒的大多数の
人々を、50年前に広範な繁栄のカギであった
「拮抗勢力」として再結集させること。

そのために、拮抗勢力を組織化して
統一することです。

本書の拮抗勢力とは、大企業、ウォール街、
富裕層の政治的影響力を抑制する勢力。

主に中間層と貧困層で持つべき力です。

本書は、米国の資本主義について書かれた
本ですが、日本でも資本主義の新しい未来が
見えてくると思える本です。

350ページを超えるページ数で、
難しいテーマについて論じていても、
非常にわかりやすく書かれているため、
意外とスイスイと読めると思います。

  第1部 自由市場
  第2部 労働と価値
  第3部 拮抗勢力

この本から何を活かすか?

  「人類が直面しているのは、単に労働力を
  代替する技術ではなく、知力を代替する技術
  なのだ。高感度センサー、音声認識、人工知能、
  ビックデータ、テキストマイニング、
  パターン認識アルゴリズムが組み合わさって、
  人間の活動を素早く学習し、さらに相互学習
  する機能も備えたスマート・ロボットが
  生み出されつつある。」

単純労働だけでなく、頭脳労働でさえも、
ロボットにとって代わられる時代です。

本書でライシュさんが提案している
新しい資本主義の形を作っていく
必要があるように感じました。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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| 経済・行動経済学 | 06:19 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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