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読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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佐藤オオキのボツ本

満足度★★★
付箋数:24

  「一見華麗に見えるかもしれない
  デザイナーのプロジェクト。しかしその陰には、
  死屍累々のボツ案が横たわっています。」

Newsweek誌の「世界が尊敬する日本人100人」
にも選ばれ、世界的なデザイン賞をいくつも
受賞しているデザイナーの佐藤オオキさん。

佐藤さんが率いるデザインオフィスnendoでは、
400を超えるプロジェクトが、いつも同時進行
しています。

nendoでは、デザインの依頼に対して、
多角的な視点からの提案を行うために、
早い段階で細部まで作り込んだデザイン案を
クライアントに複数投げかけます。

初期段階から多角的な視点で議論することで、
デザインを依頼する側も、依頼された側も
思考のプロセスを共有できます。

それが、発想の土台となって、
次々と新しいアイディアが生み出され、
完成されたデザインに近づいていくようです。

  「結果的にこのやり方は、膨大な “ボツ案” を
  生み出すことになります。仮に1プロジェクト
  あたり5つのデザインやアイディアの提案を
  行うとします。すると、400のプロジェクトを
  走らせていると、そこには2000のアイディアや
  デザインが生まれることになるのです。
  採用されるデザインが各プロジェクトにつき
  1個だとしたら、ボツ案は1600。
  供養してもしきれません。
  実際には、こうしたアイディアは
  ひょんなことから蘇ったり、別のアイディアと
  融合してもっと素晴らしいデザインになる
  こともあります。また、このボツ案が私たちの
  糧となり、その後のプロジェクトに生かされる
  ケースも珍しくありません。」

私たちが商品や製品として目にするのは、
最終的に採用された1つのデザインのみです。

その裏に、たくさんのボツ案があっても、
普段は、なかなか目にすることはできません。

しかし、採用されなかったたくさんの
ボツ案を見ることで、そこに至るまでの
思考のプロセスを知ることができます。

実は、ボツ案は不採用になって終わりでは
ありません。

その時に求められていたコンセプトや
アイディアとたまたま合致しなかっただけで、
別の機会に活用されることが多くあるのです。

本書は、「ボツ」を生かして最高のアイデアを
生むプロセス公開した本です。

本書の最初の事例には、大手飲料メーカーから
依頼された自動販売機用の「ゴミ箱」の
デザイン案が紹介されていました。

依頼されたのは、「飲みきってから捨てたく
なるようなゴミ箱」です。

このお題に対して、作られたモックアップ
(外見を実物に似せて作られた模型)は6つ。

 ・カバーをかぶせるタイプ
 ・プランター一体型
 ・絶対にキャップを開けさせるゴミ箱
 ・液体とボトルが区別できるゴミ箱
 ・伸縮して大きさが変わるタイプ
 ・液が残っていると吐き出されるゴミ箱

残念ながら、これら6つのデザイン案は、
さまざまな事情からすべてボツになった
ようです。

しかし、自動販売機用のゴミ箱1つについて、
どのような機能が考えられ、どのように議論
されたかの、アイディア形成の過程が
手に取るようにわかります。

「そこまで見せていいの」と思えるほど、
佐藤さんやnendoの頭の中を丸裸にして
見ている印象さえありますね。

本書は、デザインに関わる仕事をする方には、
必見の本だと思います。

個人的には、ボツになった多くのアイディアを
見ることで、デザインの凄さや佐藤さんの
思考の深さを実感することができました。

  第1章 散りゆくボツ案
  第2章 未来を導くボツ案
  第3章 ボツ案を育てる
  第4章 よみがえるボツ案
  第5章 ボツが人を育てる

この本から何を活かすか?

  「アイディアは、ゼロから生み出すだけでなく、
  既存の情報をなんらかの “方程式” に
  落とし込み、モノゴトを新しい視点から
  見ることで発生させることができます。」

本書では理美容ビジネスの新しいあり方を
考える際の「思考マップ」が掲載されていました。

こういうアイディアのメモを見られる機会は稀。

有り難いことに、アイディアを生み出す
「方程式」が、実際にどのように使われたかが
わかるように解説されています。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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| 問題解決・ロジカルシンキング・思考法 | 06:14 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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