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読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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鈴木敏文 孤高

満足度★★★
付箋数:25

日経ビジネス編集部の日野さんより、
献本いただきました。ありがとうございます。

  「僕が仮に中内さんや堤さんの下にいたら、
  きっと1年ももたずに辞めていたよ。
  2人とも強烈なリーダーシップで
  引っ張っていた。だから、自分には合わず、
  クビになっていたと思う。
  だって、こうした方がいいとか、
  ああした方がいいとか、大経営者に若造が
  言ったら、そうなるでしょう」

セブン&アイ・ホールディングスを長い間
率いてきた、鈴木敏文さんは日経ビジネスの
インタビューでこのように答えています。

カリスマと呼ばれて、セブン帝国を作りげ、
日本の流通業界に革命を起こした鈴木さん。

コンビニエンスストアという新しいインフラを
生み出し、メーカーが支配していた流通業界の
力関係を逆転させた立役者です。

鈴木さんは、同じ流通業の寵児である
ダイエーの中内功さん、セゾングループの
堤清二さんと、並べ称せられることがあります。

しかし、鈴木さんには他の2人と決定的に
異なる点があります。

それは、中内さんと堤さんが創業オーナー
だったのに対して、鈴木さんは伊藤雅俊さん
という創業オーナーの下で働いた
「サラリーマン経営者」だったということです。

ちなみに、オーナーではないサラリーマン
経営者として、鈴木さんほどのイノベーションを
起こした例は、他にほとんどありません。

では、雇われ経営者だった鈴木さんと、
創業者の伊藤さんの関係はどうだったのか?

それが冒頭で紹介した鈴木さんの発言にも
つながります。

  「中内さんは社外からいろいろな経営者を
  連れてきましたよね。味の素の鳥羽さんとか、
  ヤマハの河島さんとか。堤さんも、板倉さん
  を連れてきた。でも、みんな切っちゃった」

イトーヨーカ堂の創業だった伊藤さんは、
絶対的な権力を振るうタイプのリーダーでは
なかったようです。

  「伊藤さんは、中内さんや堤さんとは全然違う。
  伊藤さんは我慢強いんですよ。まあ、慎重
  という表現もできるよね。例えば、伊藤さんは、
  僕がコンビニエンスストアをやると言った時も、
  アメリカのセブンイレブンを買うと言った時も
  反対だった。中国進出も銀行設立もね。
  何事にも反対したのは、性格ですよ。」

では、慎重な伊藤さんに反対されながらも、
鈴木さんはどのようにして、無理を通して
やりたいことを実現してきたのか?

  「それでも、反対されたことを僕が何とか
  ものにしてきたから、割合と意見を聞いて
  くれるようになった。この範囲までやって
  ダメだったら諦めますと、きちっと宣言
  するわけ。そうすると、じゃあ、まあ、
  となるんだ」

2016年5月に鈴木さんがセブン&アイの会長
兼CEOから退任した際には、「創業家の反撃」、
「取締役会内部の分裂」、「物言う株主の暗躍」
など様々な報道がなされました。

そもそも、セブン&アイがここまで成長したのは、
オーナーの伊藤さんと、サラリーマンの鈴木さん
という「2人のトップ」の絶妙かつ微妙な
関係があったからでした。

本書では、そんな2人の歴史を振り返りつつ、
「流通王」として、戦後日本の経済史に
その名を刻んだ鈴木さんの半生を描きます。

第1章は10時間にも及ぶ鈴木さんへの
ロングインタビューを元になっており、
第2・3章は過去の日経ビジネスの記事から、
そして最終章は退任劇の裏側を描いた
書き下ろしで構成されます。

日経ビジネスの取材力を生かして、
一介のサラリーマンからカリスマ経営者へ
駆け上がった鈴木さんの実態に迫る超力作です。

この本から何を活かすか?

なぜ、セブンイレブンは、ローソンや
ファミリーマートに比べ、ここまで圧倒的な
存在になることができたのか?

この点も、鈴木さんが創業オーナーでないことが
理由にあるようです。

  「セブンイレブン1号店とほぼ同時期に、
  ダイエーの中内はローソンを、セゾンの堤は
  ファミリーマートを始めているが、これらの
  コンビニチェーンは、それぞれのオーナー
  経営者にとって、数ある事業の “一部問” の
  枠を出なかった。
  それとは対象的にセブンイレブンとは、
  サラリーマンである鈴木が、オーナーの伊藤に
  対して、自分の能力と存在意義を証明する
  ための唯一無二の事業であり、 “鈴木敏文” 
  そのものであった。セブンイレブンがライバルを
  大きく引き離し、流通業界を変革する存在に
  なり得たのは、ここに必然がある。」

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