活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

PREV | PAGE-SELECT | NEXT


≫ EDIT

バブル:日本迷走の原点

満足度★★★★
付箋数:25

  「日本の80年代バブルとは、いったい
  何だったのだろうか。それをいまあらためて
  考えることの意味はどこにあるのだろう。
  バブルはただの金融現象ではない。
  バブルは世界のいたるところで起き、
  どれも似たような様相を呈する。
  しかし実態はそれぞれに異なる。
  なぜなら、バブルはその国や地域の
  文化・歴史と複雑にからみ合いながら
  生じるからである。日本の80年代後半の
  バブルは、戦後の復興と高度成長を支えた
  日本独自の経済システムを知ることなしに
  理解できない。」

本書の著者は、40年間経済記者として
市場経済を見続けてきた永野健二さん。

80年代バブルは、それまでの高度成長を
支えてきた日本独自の経済システムが
限界を迎えた時に起こった現象でした。

永野さんが、バブルの起点である1986年から
30年経った今、あえてバブルを詳細に
振り返るのには、理由があります。

それは、現在のアベノミクスに80年代と
似たものを感じるからです。

表面的に見ると、デフレという全く違った
経済環境にあるように思えますが、
端々に出てくる現象の本質を見てみると、
実は共通したものがあります。

その端的な一例が、突如として湧き上がった
田中角栄さんのブームです。

  「バブル時代を知らず、その弊害を何も
  学んでいない世代が、80年代を懐かしんだり、
  バブル待望論を口にすることも増えてきた。
  最近の田中角栄待望論は、その好例である。
  彼が魅力的な人物であることは否定しない。
  田中角栄は、類まれなリーダーシップで
  権力の階段をのぼりつめて総理になった。
  しかし彼が旗を振った日本列島改造論は、
  土地を商品と位置づけることで、
  地価の上昇を加速し、日本をバブル社会へと
  導く原因をつくった。」

バブルとは、本来変えるべき制度を変えずに、
先送りしておきながら、欲が欲を呼び、
実態以上の何倍にも資産が膨れ上がることが、
人々を熱狂させた現象です。

バブルは人々の欲が生み出すものなのです。

バブルを知るのは、当時を懐かしみたいから
ではなく、これからの時代を生きるためです。

  「バブルの時代を知ることなしに、
  現在の日本を理解することはできない。
  私たちは、日本固有のバブルの物語に謙虚に
  耳を傾ける必要があるのではないだろうか。
  80年代バブルの教訓は、まだ十分に
  汲み尽くされていない。」

本書はバブルに翻弄された人々の
人間ドラマを中心に描く、
優れたノンフィクションです。

バブルを経験した人にとっては、当時の
空気感が蘇ると同時に、あの頃知らなかった
バブルの裏側を知ることになるでしょう。

バブルを経験していない人にとっては、
先輩たちから噂でしか聞いたことのなかった
バブルをよりリアルに感じ取ることが
できると思います。

いずれにしても、アベノミクスで動き出し、
トランプ効果という外的要因によって、
さらに加速しつつある今の日本経済を、
80年代バブル当時の日本と比較するのは
非常に有用だと思います。

  「バブルは同じ顔をしてやってこない。
  しかし、われわれは生きている時代に
  真摯に向き合わなければならない。
  だからこそ、日本のバブルの歴史を
  今一度学び直す必要があると思う。」

この本から何を活かすか?

本書は、年末年始などの時間のある時に、
じっくりと読みたい本です。

以前なら、12/31にいい本があるとわかって
注文しても、手元に配送されるころには、
正月休みが終わっていることもありました。

しかし、今の時代は「Kindleがあるので、
そんな心配はいりません。

一般的なビジネス書よりも、本書のような
ノンフィクション系の本の方がKindleで
読むのに合っていると思います。

今年の正月を一緒に過ごす本として、
本書はおすすめの一冊です。

空気感だけを知りたい方は、何も考えずに
映画『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式
を見るのもいいかもしれません。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
関連記事

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 経済・行動経済学 | 06:59 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://ikadoku.blog76.fc2.com/tb.php/2924-ad13057f

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT