活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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知の進化論

満足度★★★
付箋数:22

中世以前、「知識」は一部の特権階級やギルド
によって排他的に保有されるものでした。

つまり、知識は隠匿によって価値を持ったのです。

しかし、ヨーロッパにおいては15世紀に
ヨハネス・グーテンベルクさんによって
活版印刷が発明されたことで状況は一変します。

知識伝達と拡散コストが低下した結果、
広い範囲の人が知識を得られるようになりました。

ここで知の独占体制を崩し、知識を万人に
広げるうえで大きな役割を果たしたのが
「百科全書」が編纂されたことでした。

その後、何世紀もの間、紙が知識を伝える
媒体の主役に鎮座していましたが、
20世紀に入ってから電気的な通信手段の発達
などで、その状況が根本的に変わりました。

1990年代以降、インターネットが広く使われる
ようになり、それまでの知識に対する概念さえ、
大きく変わることになったのです。

  「知識は隠匿するものでなく広めるもの。
  知識は有料で提供するものでなく、
  無料で広めるもの」

技術が進歩することによって知識に対する
考えが大きく変わりましたが、同時に大きな
ジレンマを抱えることにもなりました。

多くの人に情報を読んでももらうためには、
タダで発信しなくてはいけない。

しかし、情報を無料で提供してしまえば、
情報生産コストが回収できなくなる。

その結果、発信される情報の質は低下する。

私たちは、この問題に対して十分な解決策を
見出していない状況ですが、更なる情報技術の
進歩によって、次の変革が迫っています。

それは人工知能の発達することによって、
人間が行う知的活動の多くが人工知能で
代替されるようになりつつあることです。

この人工知能の進歩は、知の退化させる
危険性を孕んでいます。

人々は、レコメンデーションに操作され、
以前より主体的判断力を失っています。

更に、レコメンデーションなどによって、
知らず知らずのうちに人間の行動が
コントロールされてしまう危険性があります。

人工知能サービスを提供できる主体が
一部の大企業に限定されてしまう危険性も
あります。

いわゆるビックデータの利用を前提とした
人工知能は、ごく少数の企業しか活用
できないのです。

果たして、人工知能を中心とする情報技術の
革新はユートピアを実現するのか?

または、SFで見られるように人工知能が
コントロールを失って、人間を支配するような
ディストピアが訪れるのか?

本書では、ギルドによって知識が独占
されていた時代から、現代までの進化を
丹念に振り返り、これからの時代を生き抜く
指針を示します。

著者は「超シリーズ」など多くのベストセラー
を執筆し、現在は早稲田大学ファイナンス
総合研究所顧問を務める野口悠紀雄さんです。

本書は未来を見通すために、これまでの歴史を
振り返る本の典型で、いろいろと考えさせられる
ところがあります。

 第1章 かつて知識は秘密にされていた
 第2章 百科事典は知識を万人に開放した
 第3章 インターネットで情報発信者が激増した
 第4章 検索という方法論
 第5章 SNSやキュレイションで
    情報拡散スタイルが変化
 第6章 知識は秘匿すべきか? 公開すべきか?
 第7章 人工知能の進歩で知識への需要は
    どう変わるのか?

この本から何を活かすか?

  「紙の本には、様々な問題がありました。
  電子書籍はこれらの多くに解決策を与えて
  くれます。」

野口さんが、紙の本の問題点として
挙げていたのは次の2点です。

1つ目は、場所をとること。

これは大量の本を読んだり所有する人に
とっては避けて通れない問題でした。

2つ目は、絶版や在庫切れがあること。

出版されてから時間が経過した本が、
手に入りづらくなることも大きな問題でした。

ただし、紙の本のにもメリットはあるので、
電子書籍に完全に駆逐されてしまうことは
ないでしょう。

紙の本と電子書籍のそれぞれのメリットを
考えて、どちらかまたは両方を選択できる
環境が望ましいですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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