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新・リーダー論


新・リーダー論
大格差時代のインテリジェンス (文春新書)


満足度★★★
付箋数:23

石原慎太郎さんの『天才』がベストセラーになり、
角栄ブームと言われるほど、田中角栄さんの
リーダー論が注目を浴びています。

これはリーダー不在の時代に、世の中が優れた
リーダーが出現することを求めているからです。

しかし、この角栄ブームについて佐藤優さんは、
「一種の日本の病理」だと言い切ります。

また、池上彰さんも仮に今の時代に角栄さが
いたとしても、かつてのように事は運ばなかった
と考えます。

角栄さんのやり方が通用しないのは、
日本がもはや右肩上がりの経済ではないからです。

本当のリーダーに必要なのは、やるべきことは
何かを見極める力があること。

角栄さんの頃には、もう少し簡潔に
リーダー論を語ることができました。

例えば、かつての首相は消費税導入など、
メインとなる1つの課題に取り組めば良かった。

しかし、現在では複数の問題に同時に
対処しなければなりません。

貧困問題、教育問題、安全保障問題に
同じくらいの比重で同時に取り組まなければ
ならないのです。

時代状況が複雑になって、政治家は物事を
簡単に決められなくなりました。

それらに対処できる新しい時代のリーダーは、
そう簡単は生まれません。

だからこそ、角栄さんが持っていた決断力が
優秀なリーダーに見えてくるのです。

さて、本書は池上彰さんと佐藤優さんが、
「リーダー論」について語り合った本です。

お二人の対談をまとめた本としては、
シリーズ3冊目。

1冊目は、2014年に刊行した『新・戦争論』。

自称「イスラム国」の急激な勢力拡大を
見ながら、現代の戦争について対談しました。

2冊めは、2015年に刊行した『大世界史』。

欧州への大量の難民流入など現代のさまざまな
ニュースを世界史の観点で分析することの
必要性について語りました。

そして、激動する世界において、政治指導者
たちの力量・技量が注目される中で、
お二人は現代のリーダーについて語っています。

特に世界の指導者の中には、反面教師的な
リーダーが目立っています。

前仏大統領のニコラ・サルコジさん、
ロシアのプーチン大統領、北朝鮮の金正恩委員長、
トルコのエルドアン大統領、そして極めつけは、
次期アメリカ大統領のドナルド・トランプさん。

特にサルコジさんのリーダーシップは、
「サルコジ現象」として、他の指導者へも
多大な影響を与えているようです。

その特徴としては5つの資質が挙げられています。

「思考の一貫性の欠如」、「知的凡庸さ」、
「攻撃性」、「金銭の誘惑への屈服」、
「愛情関係の不安定」

トランプさんは「アメリカ版サルコジ」、
安倍首相は「ミニ・サルコジ」であると
佐藤さんは指摘しています。

今の時代、リーダーについて論じるには、
避けて通れない、強烈な個性を持つ指導者が
何人もいるのです。

結論としては、優れたリーダーは出にくい
時代になったということですが、
とにかく池上さんと佐藤さんの知識量と
それに対する洞察が物凄いことがわかります。

タイプの異なるお二人ですが、議論がかみ合い、
互いの良さを引き出すような対談になっています。

 第1章 リーダー不在の時代
 第2章 独裁者たちのリーダー論
 第3章 トランプを生み出したもの
 第4章 エリートVS大衆
 第5章 世界最古の民主主義国のポピュリズム
 第6章 国家VS資本
 第7章 格差解消の経済学
 第8章 核をめぐるリーダーの言葉と決断
 第9章 リーダーはいかに育つか?

この本から何を活かすか?

トランプさんは、「有能なビジネスマン」と
言われていますが、お二人はそのようには
見ていません。

会社を4度倒産させていることからも、
マネジメント能力を持っているとは思えない。

倒産の際には、金を借りている相手と交渉して、
借金を棒引きにして復活してきました。

トランプさんは、経営力ではなく、
「取引(ディール)」や脅しで富を作ってきました。

さらに莫大な資産を持っていることについても、
もともとは父親から財産を相続したもの。

それをそのまま投資信託にでも投資していれば、
もっと金持ちになっていましたが、
なまじ自分で事業をやったおかげで、
財産はそれほど増えていないようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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