活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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仕掛学

満足度★★★
付箋数:24

  「本書は、著者がこれまでに取り組んできた
  仕掛けについての研究を平易にまとめたもの
  であり、本書を読み進める上での事前知識は
  必要ない。
  ただ、よく勘違いされることをあらかじめ
  書いておくと、商品を売るための仕掛けは
  対象としない。商品の魅力に気づいて
  もらったり、興味をもってもらうところ
  までが仕掛けの対象になる。」

「仕掛け」とは、人の行動を変える奥義。

無理やり行動を変えさせようとするのではなく、
つい行動を変えたくなるように仕向けたもの。

古典的な例では、『トム・ソーヤの冒険』で、
主人公のトムが、罰として塀のペンキ塗りを
やらされた時の行動も一つの仕掛けです。

トムは、本当は楽しくないのに、楽しそうに
ペンキを塗る姿を友人たちに見せることで、
友人たちがペンキ塗りをしたくなるように
仕向けました。

最近の事例では、男子トイレの的つき小便器が
あります。

これは、的をつい狙いたくなる心理を利用して、
知らず知らずのうちにトイレを綺麗に使うよう
仕掛けられたもの。

「トイレは綺麗に使いましょう」という
張り紙よりも、さり気なく飛散が最小になる
場所に的になるシールを貼っておく方が、
ずっと効果的なのです。

本書の著者、松村真宏さんは、
もともとは人工知能の研究者でした。

しかし、2005年に仕掛けが問題解決の
手段として汎用的に利用できることに気づいて、
新しい研究分野として「仕掛学」を創設しました。

本書は、その「仕掛学」について、
多くの事例を写真付きで紹介しながら、
一般向けにわかりやすく解説した本です。

仕掛けは、使い方によって悪用することも
できます。

本書では、「良い仕掛け」と「悪い仕掛け」
に区別した上で、「良い仕掛け」を実現する
方法について述べています。

良い仕掛けとは、仕掛けた側だけでなく、
仕掛けられた側もその目的を知った時に、
「素晴らしい、こりゃ一本取られた」と
笑顔になるもの。

これに対して、悪い仕掛けとは、
「だまされた、もう二度と引っかからないぞ」
と不快にさせる仕掛けです。

本書では、次の3つの条件を満たして
問題解決につながる行動を誘うものを
「仕掛け」として定義します。

 1. 公平性(Fairness)

仕掛けによって誰も不利益を被らないこと。

「悪い仕掛け」は人を欺き、公平性を欠くので、
ここでは取り扱いません。

 2. 誘因性(Attractiveness)

行動を誘うものであり、強要するものは
仕掛けの定義から外れます。

仕掛けが行動の選択肢を増やし、仕掛けられた
側は、自由に行動を選べることが要件です。

 3. 目的の二重性(Duality of purpose)

仕掛ける側の目的(解決したい問題)と
仕掛けられる側の目的(行動したくなる理由)
が異なること。

この二重性のないものは仕掛けの定義から
外れます。

多くの場合、仕掛けが対象としている
本当の問題は明示されていません。

仕掛けられる側は、問題を意識することなく、
興味の赴くまま行動して、気がついた時には
問題解決に貢献しているのです。

本書では、この3つの要件の英語の頭文字を
とって、「FAD要件」と呼んでいます。

 序章 「ついしたくなる」には仕掛けがある
 第1章 仕掛けの基本
 第2章 仕掛けの仕組み
 第3章 仕掛けの発想法

本書を読んで、学問として仕掛学を学びたい
という方も出てくるかもしれません。

この本から何を活かすか?

仕掛けは、どのように発想するのか?

  「同じ時間に同じ場所で同じ仕掛けを
  目にしていても大人と子供で反応が
  異なるのは、仕掛けを見出すのは知識だけ
  でなく好奇心も必要だからである。
  大人になって知識が増えてくると、
  世の中に対する好奇心もどんどん弱くなる。
  そのようなときは好奇心旺盛な子供を
  観察すれば良い。子供は仕掛け発見器である。」

子供を観察すると、仕掛けはもとより、
いろいろな気づきがあるものですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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