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「超」入門!論理トレーニング

満足度★★★
付箋数:24

  「よく “日本人は、中学高校の六年間、必死で
  英語を勉強しても、ろくに英語が話せるように
  ならない” と言われます。しかし、本当は、
  中学高校の六年間、必死で英語を勉強しても、
  それを実用する場面などなく、九割の日本人は、
  英語をまったく使わないまま、人生を終える、
  ということなのです。話せるようになるほうが、
  むしろおかしな話です。」

では、なぜ、私たちは英語を学ぶのでしょうか?

本書の著者、英語教育の第一人者でもある
横山雅彦さんは、「英語のロジックを学ぶため」
と説明します。

英語そのものに学ぶ必要があるのではなく、
英語によってロジックを学ぶ必要があるのです。

なぜなら、日本語はロジックを扱うには
適しておらず、たとえて言うなら、
羽根突きの道具でテニスをするようなもの
だからです。

  「日本語で完全にロジックを操ることは不可能
  なのですが、それを十分に知った上で、
  あえて羽子板でテニスをしようというのが、
  この本で、僕がみなさんと取り組んでみたい
  ことなのです。」

そこで本書で用いられる道具が「三角ロジック」。

これは横山さんが、ディベートの原論を
日常的なレベルで使えるようにしたものです。

まず、三角形の頂点に当たるのが「クレーム」。

これは「主張」あるいは「意見」のことで、
必ず「論証責任」を伴います。

このクレームを、三角形の底辺が支えます。

底辺の一端となるのが「データ」。
これは主張を支える「事実」のことです。

そして底辺のもう一端にあるのが「ワラント」。
こちらは「根拠」のことです。

ワラントのない事実は、データとは
認められませんので、クレームとデータと
ワラントは三位一体の構造となります。

例えば、「この映画は面白そうだ」と主張
するのが、クレームです。

「宮藤官九郎さんの脚本だから」という
事実が、それを支えるデータとなります。

さらに、なぜ沢山ある事実の中から、
このデータを選んだかというと、
「これまで見てきた宮藤官九郎さんの
脚本にハズレはない」というワラントを
示せるからです。

本書では、この三角ロジックを使い、
論理トレーニングを行ないます。

この本から何を活かすか?

日本での議論はロジカルに行われていない
ことが多いと横山さんは指摘します。

本書では、そんな実例を挙げていました。

 司会者 今年度の英語の教材について、
    もし問題点などありましたら、
    ここで検討したいと思います。
    横山先生、いかがですか。

 横山  そうですね、選抜クラスの精読テキスト
    なんですが、これは改訂した方が
    いいように思います。

 司会者 A先生、どうですか。

 講師A いや、私は、これで全く問題ありません。

 講師B 私もです。

 横山  僕は、分量が多すぎるように
    思うんですよね。

 講師B 私は、とても使いやすいと感じています。

 講師A 同感です。分量もちょうどよく、
    使いやすいテキストだと思います。

 司会者 横山先生、A先生もB先生もこう
    おっしゃっていますし、とりあえず
    あと1年、様子を見る、ということで
    いかがですか。

この司会者は、「改訂した方がいい」とした
横山さんに論証責任を果たさせないうちに、
講師AとBから新たなクレームを求めています。

もし、この司会者がロジカルに会議を
進行すると次のような議論になります。

 司会者 今年度の英語の教材について、
    もし問題点などありましたら、
    ここで検討したいと思います。
    横山先生、いかがですか。

 横山  そうですね、選抜クラスの精読テキスト
    なんですが、これは改訂した方が
    いいように思います。

 司会者 具体的には?(データを求める)

 横山  分量が多すぎるように思うんです。
    (データの提示)

 司会者 と、おっしゃいますと?
    (ワラントを求める)

 横山  精読というのは、長文読解とは違い、
    一文一文の構造をゆっくり丁寧に
    分析することです。(ワラントを提示)

講師AとBが横山さんの意見に反論したければ、
ここから発言が許されます。

そして、反論の方法は、2つあります。

1つは、相手の三角ロジックの
データかワラントを突く「反駁」。

もう1つは、相手の三角ロジックを認めた上で、
新たなクレームを立てる「アンチテーゼ」です。

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