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スマホが神になる

満足度★★
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オーリン工科大学のアレン・ダウニー教授は
アメリカでの宗教教団に所属する人数に
ついての分析を行ないました。

1980年の調査では、アメリカ国民のうち、
どの宗教教団にも所属していない人の割合は
8%でした。

これが2010年の調査では18%に増えました。

人数にすると無宗教の人が2500万人増えた
ことになります。

ダウニー教授は、無宗教の増加と関係して
いると考えられる、教育や社会経済的な地位、
宗教的な背景を分析しましたが、それでは
説明がつきませんでした。

では、なぜ、これだけ無宗教の人が増えたのか?

ダウニー教授は、ある仮説を立てました。

それはインターネットの使用者の劇的な増加が
無宗教の人を増やしたという仮説です。

1980年代には、まだインターネットを
使っている人はほとんどいませんでした。

それが、2010年には半数以上の人が、
1週間に2時間以上インターネットを使い、
4分の1の人が7時間以上使っています。

ダウニー教授によれば、無宗教の増加の
およそ25%は、こうした新しい生活習慣に
よって説明できると言います。

そもそも宗教教団に所属することは、
1つのコミュニティに所属していることを
意味しています。

そして生きていくために必要な答えを
宗教の教えの中に見出しているのです。

しかし今の時代、礼拝に参加しなくても、
スマホでSNSを気軽に使うことで、
コミュニティへの参加ができます。

人生の中で何か答えが欲しいときでも
スマホに問いかければ、すぐに欲しい答えが
返ってくるのです。

これは、スマホが神の代わりになっている
とも考えられます。

日本の場合には、もともと信仰を持っている
人の割合が低いので、数字の上で
ここまで大きな影響が出ていません。

しかし、既存宗教よりも新宗教の信者数
減少として、顕著に現れてきています。

新宗教は主に、高度経済成長の時代に
信者を増やしました。

産業構造の転換に伴い、集団就職などで、
地方から多くの人が都市へと流れてきた時代。

自分が生まれ育った地域の人間関係から
すっかり切り離されて、都市では孤独な環境に
置かれました。

そんな中で孤独を癒やし、都市での新しい
人間関係を作ったのが、新宗教だったのです。

もし、高度経済成長の時代にスマホがあれば、
それが孤独を癒やす格好の道具となり、
新宗教はあれほど伸びなかったのではないか。

本書の著者、島田裕巳さんは、このように
考察しています。

本書は、宗教学者の視点から、現在の情報革命、
特にスマホの存在を考えた本です。

ポケモンGOと各宗教との関わりについても
述べられています。

ただし、個人的にはちょっと想像した内容とは
異なる内容の本でした。

タイトルにある「スマホ=神」と思えるほどの
説得力は感じられませんでした。

  第1章 スマホの「人を動かす」力が
     宗教界を揺るがす
  第2章 神に代わりつつあるグーグル
  第3章 スマホが神から時間を奪う
  第4章 スマホが与える「全能感」
  第5章 自撮りはあなたを世界の英雄にする
  第6章 スマホが人を救う
  第7章 「新渡戸さん、スマホがあるじゃ
     ないですか」
  第8章 決して沈黙しないスマホという神

この本から何を活かすか?

ポケモンGOが登場したときに、一番警戒感を
募らせたのは、宗教の中ではイスラム教でした。

しかし、実はイスラム教とスマホ自体は
非常に親和性が高いと島田さんは指摘しています。

なぜなら、イスラム教の宗教活動においては、
「時間」と「方角」が極めて重要だから。

イスラム教では、メッカの方角へ向かって、
1日5回、礼拝を行ないますから、
スマホに入っているコンパスが便利なのです。

また、断食が始まったり終わったりする時刻も、
場所によって異なるので、スマホのGPS機能が
非常に有用なようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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