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読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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昆虫は最強の生物である

満足度★★★
付箋数:24

  「地球は虫だらけの惑星だ。これまでに発見
  されて命名されたものだけで、昆虫の種類は
  100万種近くに達する。(中略)
  昆虫のほとんどの種には名前さえも
  ついておらず、熱帯雨林に生息する昆虫は
  ひょっとしたら何千万種に及ぶとの推定も
  あるくらいだ。昆虫好きにとっても、
  そうでない人にとっても、昆虫の多様性と
  生態系での繁栄には目を見張るものが
  あるだろう。」

原題『Planet of the Bugs: Evolution and
the Rise of Insects
』。

著者のスコット・リチャード・ショーさんは、
ワイオミング大学教授ならびに同大学
昆虫博物館のキュレーターです。

本書は、虫の視点から見た生物進化史。

進化の歴史において、最初の陸上動物は
一般的にシルル紀に陸に上がった
ハイギョと認識されています。

しかし、この認識は大きな間違いだと
ショーさんは指摘します。

  「 “動物” という言葉を “脊椎動物” と
  同じ意味で使う人があまりに多いことに、
  私は驚いている。(中略)
  ここで一つはっきりさせておきたいのは、
  節足動物も動物だということだ。
  節足動物はどの動物よりも早く、
  遅くともシルル紀前期までに
  その小さな脚で陸地を歩いていた。
  海から陸へ進出するのに最適な装備を
  もっていたのは節足動物である。」

さらに、脊椎動物が進化した人類こそが
地球の支配者で、文明を築いてきたとの
見方に対しても異論を唱えます。

人類は、地球を良くしているというより、
むしろ破壊している。

地球のいたるところで暴挙を振るう
大量の害虫のようであると。

仮に人類が突然滅びたとしたら、
ほとんどの生物の生息環境は大幅に
改善すると考えられます。

一方、もしすべての昆虫が絶滅したら、
陸上の環境は大混乱に陥ることが
予想されます。

生態系の維持に大きな貢献をしている
昆虫こそが、地球の真の支配者なのかも
しれません。

私たち人類は、多くの偶然と奇跡の積み重ねで
現在までの進化を遂げていました。

しかし、昆虫の存在なしでは、ここまでの
進化はありませんでした。

チンパンジーの大好きなシロアリが
大量にいなかったら、霊長類は
木から降りなかった可能性もあるのです。

本書では、カンブリア紀から始まり、
シルル紀、ジュラ紀、白亜紀、新生代と
昆虫中心の生物史が語られています。

そして、その進化の後には、宇宙に目を向け、
「虫だらけの宇宙説」が唱えられています。

地球上で生命が進化するうえで、
人類が存在しない経路や、哺乳類や恐竜が
出現しない経路は簡単に想像できます。

しかし、地球の歴史をひも解いてみると、
昆虫やそれに類似した生物なしで、
陸上の生態系が発達できたとは考えられません。

同様に他の惑星でも生命の進化をたどると、
ほとんど場合、昆虫が存在するはずなのです。

だから、地球外生命体の存在を考えると、
人類のような知的生命体が存在するよりも、
昆虫が存在することの方が圧倒的に
確率が高いのです。

本書は、本当に虫好きの人が書いたとわかる、
虫に対する愛情が溢れた本です。

巻頭の口絵カラー写真も美しく、
虫好きの人にはたまらない本だと思います。

この本から何を活かすか?

  「本書の執筆を辛抱強くサポートし、
  理解を示してくれた妻のマリリンに捧ぐ。
  昆虫を冷凍庫に入れることを許してくれて
  ありがとう。きみがいなければ本書を
  完成させることはできなかった。」

本書は、生物の歴史的な「縦」のつながりを
感じさせる本です。

しかし、奥さんの寛大な理解があり、
ショーさんが本を書けて、私たちが楽しめる
という、「横」のつながりも感じました。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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