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読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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ワタミの失敗

満足度★★★
付箋数:19

2013年頃、ブラック企業として批判されていた
ユニクロとワタミ。

批判を受けていた当時のトップの発言が、
その後の明暗を大きく分けました。

<ユニクロ・柳井正さんの発言>
  「問題がなかったわけではなかった。
  グローバル化を急いで対応しようとして、
  要求水準が高くなったことは確か。
  店長を育てるにしても急すぎた反省はある。」

  「昔の我々の会社には、ブラック企業のような
  部分はあったと思う。それはなくなってきた」

  「世界中の社員には、何人かブラック企業の
  ようなことをやっている人はいるかも
  知れないが、会社としては容認していない」

<ワタミ・渡邉美樹さん他経営陣の発言>
  「我々はブラックではない。ブラック企業の
  基準もあいまいだ。(批判には)事実を
  積み上げて説明したい」

  「ブラック企業との風評が広がり、居酒屋の
  客足だけでなく介護や食事宅配サービスの
  売上にも影響した」

  「ブラックだなんて全然思っていない、
  過去も今も、将来も」

  「労使の関係は基本的に存在しないと思っている」

ユニクロは、ブラックと言われる問題の
存在を認めたうえで、反省する態度を示し、
実際に改革を行っていきました。

一方、ワタミは一貫して「誹謗中傷の被害者」
というスタンスで、ブラックと呼ばれることを
否定し続けました。

トップが真っ先に非を認めて、改悛の情を
示すのか、追い詰められてからようやく
対応するのか。

その違いが、業績に大きな影響を与えたと、
本書の著者・新田龍さんは指摘しています。

ユニクロの国内事業は、直近期売上高と
営業利益は共に過去最高益を記録しましたが、
ワタミは2期連続の巨額最終赤字を計上し、
廃業・倒産直前まで追い込まれました。

本書では、ワタミだけが突出してブラック企業と
批判を受けた理由とそのメカニズムを探ります。

また、ブラックと呼ばれないための防止策と
万一、呼ばれてしまった場合の対処法を示します。

トヨタ自動車、電通、神戸製鋼所、中部電力、
JR西日本、日立造船、東京海上日動火災保険、
キヤノン、マツダ、富士通、住友電設・・・

これらの名だたる企業も、過去に過労死や
過労自殺が発生し、労災として認定されましたが、
ワタミほど、ブラックとして批判されていません。

2008年4月にワタミフードサービスで
入社2ヶ月目女性社員の過労自殺が発生しました。

この事件をきっかけにワタミのブラック企業批判
が始まりました。

批判が広がるためには、次の3つの条件が、
背景にあったと新田さんは指摘しています。

 背景1. 幅広い世代、地域で話題を共有できる
 背景2. 経営者がよく知られている
 背景3. イメージと実態のミスマッチがある

実際に、こられの条件がそろっていて、
ワタミ以上にひどい条件の会社は他にも多数あり、
明らかな労基法違反を行っている会社もあります。

それでは、なぜワタミだけにブラック企業の
バッシングが集中したのでしょうか?

  「私の見解としては、 “批判されやすい背景”
  に加えて、様々な事象が発生する “タイミング
  が合致した” こと、そして批判対応において
  やるべきことをやらず、 “やってはいけない
  ことをやってしまった” こと、すなわち
   “批判に至るすべての条件がそろった”
  からだと考えている。」

個人的に面白かったのは、ワタミの対応を、
危機管理広報の伝説的な成功事例の
「タイレノール事件」と、伝説的な失敗事例の
「アラスカ沖タンカー座礁事故」と比較して
いたところです。

ワタミの危機管理広報は、まさに失敗事例の
対応をなぞっていたことがよくわかります。

この本から何を活かすか?

ワタミは2016年6月27日付の朝日新聞朝刊に
次のメッセージを全面広告として掲載しました。

  「私たちワタミは、一連のブラック企業批判
  に対して、その理由と要因にしっかりと
  向き合い、働き方や社会との関わり方をはじめ
  アイデンティティーを聖域なく見直しました。
  再生に向けて、私たちはいちばん大切にする
  ものを “心” と明確に定めました。
  働く従業員の心、お客さまへの心、社会への心を
  どこよりも大事にする企業を目指します。」

「ワタミがブラックとは全然思っていない」
との2年前の発言から大きく変わりました。

果たして、ワタミは本当に変われるのか?

今後のワタミの動向に注目したいところです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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