活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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武器としての人口減社会

満足度★★★
付箋数:24

本書は、客観的な統計データを用いて、
日本の未来について考える本です。

著者は、2013年よりOECD(経済協力開発機構)
東京センター長を務める村上由美子さんです。

「弱み」は「強み」に変えられるとは、
よく聞くフレーズですが、これは個人だけでなく、
国家にも当てはまるようです。

  「私はこれまで人生の半分を外国で暮らし、
  外国の会社や国際機関で勤務することで、
  日本を国内外の両方から俯瞰する機会を
  得ました。日本が抱えている少子高齢化の
  問題が深刻であることには違いありません。
  しかし、テクノロジーの進化により世界経済が
  抜本的な構造改革を遂げようとしている
  この局面は、日本にとって多くなチャンスです。
  多くの日本人がこのチャンスに気づき、
  人口減少でさえもメリットとして最大限に
  活かすことができれば、日本が課題解決の
  先進国として、世界経済の成長を先導して
  いけるはずです。」

人口減少は、一般的にその国にとっては、
国力が低下するデメリットです。

しかし、そこに危機感を持って、
「集中と選択」による改革を行うことで、
長期低迷してきた生産性を高めることが
できるのです。

その背景にあるのは、日本の高い潜在能力。

能力の高い日本人女性、優秀な中高齢、
高学歴ニートなど、現在は十分に活用されて
いない、「人材」の宝の山があります。

特に日本の女性は国際比較統計から見ても、
読解力と数的思考力で世界のトップレベルの
能力を持っています。

女性を、もっと活用できる環境をつくり、
周囲の理解も今以上に進めば、
日本のGDPを押し上げることも可能です。

活用されていない日本の女性は、
見方を変えると、「Best Kept Secret
(最高の隠し玉)」なのです。

また、イノベーションにつても統計データを
見ると、世間一般の認識とちょっと違う
ことがわかります。

  「日本ではイノベーションが生まれない
  のではなく、生まれたイノベーションが
  拡散するメカニズムがうまく機能していない
  ために、その恩恵が経済全体に行きわたらず、
  生産性の向上につながっていないのでは
  ないでしょうか。」

実は、日本は世界でもトップクラスの
イノベーション大国。

2005年以降、最も大きな経済インパクトを
もたらした20種のテクノロジー分野での
特許数を見ると、日本は、ほぼすべての分野で
上位3カ国に入っています。

つまり、日本はイノベーションの「種」を
他国と比べても、圧倒的に多く生み出して
いるのです。

しかし特許が商品化されて、市場価値を
生み出しているかを見てみると、
日本は他の国から劣っていることがわかります。

新商品を市場に導入した企業の割合が、
製造業で約13%、サービス業では7%と
非常に低いレベル(世界で19位)に
留まっているのです。

本書で示されるデータを見れば見るほど、
日本は高い潜在能力を持ちながらも、
それを活かしきれていない現状がわかります。

  「どんな事業を成功させるにも、 “人” 
   “物”  “金” の三大要素が不可欠です。
  量より質で勝負することを日本が選択する
  ならば、この国は “人”  “物”  “金” の
  すべてを揃えていると言えるのです。
  いま私たちにとって重要なのは、
  少子高齢化社会の日本の未来を悲観する
  ことではなく、課題先進国としての
  優位性を認識し、それを日本の武器にして
  戦っていくことなのです。」

本書は、統計資料の活用の仕方を学ぶ
「お手本」としても有用な一冊です。

この本から何を活かすか?

本書で、「日本の中小企業の8割が
創業10年以上」というデータが
示されていました。

「10年以上」と聞くと、日本の中小企業は
頑張っているなと感じるかもしれませんが、
村上さんの視点は違います。

  「起業後に大きく事業展開を拡張することなく、
  市場からも撤退もせず、長期にわたり
  小規模のまま市場に存在する企業が多い」

このデータは、日本企業の「新陳代謝」が
進んでいないことを示しているのです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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