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読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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ハーバードはなぜ日本の東北で学ぶのか

満足度★★★★
付箋数:26

  「これまで “ハーバード” という名称が
  タイトルに載った本は何十冊と出版されて
  いるが、それらは辛辣な言い方をすると、
  すでに “賞味期限” が過ぎているものである。
  これまでの本は、HBSが100周年を契機に行った
  深い反省について触れていない。」

このように語るのは、本書の監修を務めた
ハーバード・ビジネス・スクール(以下HBS)
唯一の日本人教授の竹内弘高さん。

世界中から優秀な人材が集まり、その人材を
鍛え上げて、世界を変えるリーダーとして
輩出してきたHBS。

世界金融危機の震源地となった
ウォール・ストリートにも多くの卒業生たちを、
送り出していました。

HBSは、自分たちの教育が、
あの金融危機の原因を作ってしまった
のではないかと、深く反省しました。

その反省から導かれた結論が、知識から実践、
自身を知ることへの移行であり、
ケース・メソッドとフィールド・メソッドの
両立でした。

ハーバードと言えば、1908年の創立以来、
100年にわたって行われてきた、
ケース・メソッドが有名です。

ケース・メソッドは、ある組織が抱える
具体的な課題について記述されたケースを読み、
教授のファシリテーションのもと、
教室で議論して学んでいく教授法。

しかし、この教授法は時代遅れになっていると
大前研一さんなどからも指摘を受けていました。

そこで、世界金融危機を経た2010年以降、
HBSは教育改革を進めました。

そのひとつの柱が、MBA2年目の選択コースに
誕生したフィールド・スタディ型授業です。

これは教室を出て、自ら経験する中で学ぶ
IXP(Immersion Experience Proguram)という
フィールドプロブラム。

中国、インド、ブラジル、シンガポールなど、
多くのIXPがある中で、特に日本の東北を訪れる
ジャパンIXPの人気が高いそうです。

  「2012年にこの授業を履修した2年生22名は、
  航空運賃も含めると総額40万円の参加費
  (以降は約50万円)を自腹で負担し、
   “3・11” 東日本大震災の10ヶ月後に日本に
  やってきた。真冬の2週間をどっぷり東北の
  現場に浸かって、ケースを通しては学べない
   “doing” の経験を積んだ。石巻・女川地区で
  仮説住宅建設のために梅の木を20本抜いたり、
  煉瓦を除去したりしながら、頭だけでなく
   “心・技・体” を鍛えることの重要性を
  学んだ。」

これは単に、ボランティア活動をするだけの
プロブラムではありません。

地元のアントレプレナーと交流したり、
受け入れ先のパートナー企業で、リサーチや
コンサルティングを行ったりします。

東北は、もともと高齢化、過疎、人口減少、
産業衰退などの様々な課題を抱えていました。

そこに東日本大震災による被害を受けたことで、
30~40年先の未来が前倒しにやってきました。

経営学の教科書的には、事業をやっては
いけない典型的な場所です。

そんな環境の中に現実として、地域のため、
社会のため、未来のために、熱い想いで働く
人たちがいます。

HBSの学生たちは、東北でのフィールド・スタディ
によって、事業とはあくまで社会のための手段
であって目的ではないというソーシャルビジネス
の本質を学ぶのです。

本書は、HBSで5年連続で実施される超人気授業、
東日本大震災の被災地、東北での
フィールド・スタディの全貌を伝える本です。

この本から何を活かすか?

  「ワイナリーと言えば、ワイン好きの人が
  作ったよいワインを多くの人に飲んでもらう
  ために作るというのが一般的だろう。
  リタイアしたお金持ちの人がオーナーに
  なっているイメージも強い。
  しかし、仙台市の近郊、秋保温泉郷に
  2015年にできた秋保ワイナリーは、
  あくまで秋保、そして東北を盛り上げる
  という目的のために作られたワイナリーである。」

秋保ワイナリーはHBSのフィールドプログラムの
受け入れ先企業です。

本書には、しっかりとした社会的なミッションを
持つ応援したくなる企業がいくつも登場します。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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