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君は憲法第8章を読んだか

満足度★★★
付箋数:23

政府は「地方創生」をスローガンに挙げ、
東京一極集中を是正し、地方の活性化と
人口減対策を行なって、日本全体の活力を上げる
ことを目的とした政策を打ち出しています。

しかし、お題目ばかりで、地方再生への道筋は
ほとんど見えてきていません。

そもそも、なぜ、日本の地方は再生しないのか?

その根本的な原因を大前研一さんは、
江戸時代から連綿と続く、非常に強固な
中央集権の統治機構にあると考えています。

日本では、中央政府が多くの権限を
独占しているため、地方は特色のある政策を
実行することができないのです。

その元凶になっているのが、「憲法第8章」。

  「日本という国をより良くするための
  憲法改正を目指すなら、まず私は国民
  一人一人に、地方の権限や責任を規定
  している第8章を読んでもらいたいと思う。
  3分もかからずに読めるこの章から
  地方自治についてどんなイメージが浮かぶか、
  これで “地方創生” (そもそも “創生” は
   “初めて生み出すこと” だから意味不明の
  言葉だが・・・)ができているかという
  疑問を持ちながら、憲法における地方の
  位置付けを確認してほしい。」

確かにそう言われると、憲法の前文や第1条、
第9条などは読んだ記憶がありますが、
これまで「第8章」を読んだ記憶はありません。

第8章は、憲法のかなり後ろの方にあります。

第92条から第95条で構成されていて、
この第8章以降は、憲法の改正手続きや
最高法規性を定めた条文があるだけ。

この位置付けこそが、戦後日本の間違った
統治機構を象徴していると、大前さんは
指摘しています。

日本国憲法(第8章 地方自治)

私も、今回、読んでみましたが、
「えっ、章と言いながら、たったこれだけ?」
というのが正直な感想でした。

  「 “地方自治” という章でありながら、
  条文はあまりにも短く、“地方自治体”
  というものについて何も定義されていない。
  我々が日ごろ “地方自治体” と呼んでいる
  ものは、ここでは “地方公共団体” としか
  呼ばれていない。
  つまり、都道府県や市町村は “地方自治体”
  (自治の機能を持つ団体)ではなく、
   “地方公共団体” (地方における行政サービス
  を行うことを国から認められた団体)
  でしかないのである。」

「地方自治」と「地方分権」は似て非なるもの。

現在の地方は、「立法」「行政」「司法」の
三権が与えられておらず、経済的に自立する
ことができません。

あくまでも国からの「分権」でしかないのです。

この考えは、自民党の憲法改正案でも
修正されていないようです。

それどころか、地方公共団体が国の定めた
政令や省令を修正する権限を持たないため、
自治とは真逆の発想による改正案に
なっています。

では、本当の地方自治を実現するためには、
日本の統治機構をどう変えるべきなのか?

大前さんが、30年近く前から主張しているのは、
「道州制」の導入です。

道州制と言えば、最近では自民党や民主党の
マニフェストにも盛り込まれていますが、
これは大前さんの考える道州制とは、
名称だけ同じで、内容はまったく別物です。

大前さんの道州制は、中央の出先機関ではなく、
各道州が1つの国のように機能するもの。

その手本は、戦国時代にあるようです。

  「伊達政宗、毛利元就、織田信長・・・。
  今も高い人気を誇る戦国大名たちは、
  地域ごとに一人のリーダーが無限の権限を
  活用し、地域の特性を生かしつつ
  独自の国づくりを進めていった好例だ。」

この本から何を活かすか?

大前さんが、日本で最も魅力的だと考える
土地の1つは、千葉県の房総半島東岸にある
「九十九里浜」です。

  「ここは一体的に開発すれば、
   “日本のゴールドコースト” になる
  可能性が大いにある。」

景観はゴールドコーストに酷似していて、
海岸はゴールドコーストより長く、
大都市との近接性では上回っています。

ゴールドコーストも、わずか半世紀の間に、
人口2500人の小さな漁港から、
60万人の一大リゾートに成長したそうです。

九十九里浜も、国際的ビーチとして
全面的に開発すれば、実現可能であると
大前さんは主張しています。

日本でも大きな構想を持って
本気で取り組めば、国際的に競争力を持つ
地方国家はいくつも作れそうです。

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