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読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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夢の新エネルギー「人工光合成」とは何か

満足度★★★★
付箋数:24

人間が生きていくのに必要な「衣食住」。

この「食」を食物連鎖で辿っていくと、
最終的には植物の「光合成」の産物である
ことがわかります。

「衣」と「住」についても同様に元を辿れば、
おおもとは、やはり植物になります。

更に、生物の呼吸に必要な地球上の酸素は、
植物や藻類が気の遠くなるほどの長い時間を
かけて光合成活動によって蓄積してきたもの。

つまり、私たちの生活、ひいては地球上の生物は、
植物の「光合成」によって支えられています。

  「本書は、人口光合成への挑戦をできるだけ
  わかりやすく解説しようとした。文字通り、
  人口光合成とは、自然の光合成を学び、真似て、
  あるいはまったく異なるしくみだが、
  その機能の一部は自然を超えるものを
  開発しようとするものである。」

人工光合成とは、次の3要素を同時に
備えたものです。

  1. 「太陽光」(可視光)を用いる
  2. 「水」を原料にする
  3. 「エネルギー蓄積反応」により炭水化物
   (二酸化炭素の還元物)、水素、その他の
   高エネルギー物質を生成する。

人口光合成が実用化すると、エネルギーを
使っても大気中の二酸化炭素の量を増やさない
「カーボンコントロール社会」が実現できます。

つまり、地球温暖化の防止に役立つということ。

更には、水素を作り出すことができるので、
二酸化炭素が発生しない新エネルギーを
作り出せることにもなります。

2010年にノーベル化学賞を受賞した
根岸英一さんが本書の帯に書いている通り、
人工光合成は、「人類史上もっとも
エキサイティングな発明」とも言えます。

実は、人工光合成への具体的研究は、
日本人が発見した「ホンダ−フジシマ効果」が、
大きな引き金となってスタートしました。

1967年、藤嶋昭さんは当時、東京大学の
生産技術研究所の本多健一さんの研究室に
所属する大学院生でした。

藤嶋さんは、実験の過程で、水に浸した
電極として半導体の二酸化チタン結晶を用い、
そこに紫外線を当てました。

すると、回路に電流が流れ、対極の白金電極
から水素が発生し、光を照射している陽極の
二酸化チタンからは酸素が発生することを
発見したのです。

藤嶋さんは、光照射によって水が分解する
現象を見て、「これは植物の光合成と
類似のことが起きている」と直感しました。

これは当時の常識を覆す画期的な発見で、
論文がネイチャー誌に掲載されたあとは、
発見者の名前から「ホンダ−フジシマ効果」
と呼ばれるようになりました。

この発見以来、人工光合成の基礎研究では、
日本が世界をリードするようになったのです。

しかし、現在のところ人工光合成の
実現には至っておらず、2050年が実現目標
として設定されています。

実現できれば、凄いことはわかりますが、
果たして、本当に実現できるのか?

本書は、生物の進化を支えてきた光合成の
しくみから、人工光合成の実現の可能性に
ついてわかりやすく解説します。

光化学協会が2016年に創設40周年を
記念して書かれた本です。

この本から何を活かすか?

中学校の理科では、光合成は単に、
水と二酸化炭素を原料にして、
光のエネルギーで酸素とデンプンを
作り出す働きであると学びました。

しかし、その働きをもう少し詳しく
見てみると、実はかなり凄い仕組みである
ことがわかります。

光合成の反応は、実はかなり複雑で、
未だに解明されていないことも多いのです。

本書では、光のポンプが電子を汲み上げる
仕組みや、光アンテナなどの興味深い
働きについても解説しています。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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