活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

PREV | PAGE-SELECT | NEXT


≫ EDIT

人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊

満足度★★★
付箋数:23

  「機械が人々の雇用を順調に奪っていくと、
  今から30年後の2045年くらいには、
  全人口の1割ほどしか労働していない社会に
  なっているかもしれません。(中略)
  少し細かいことを言っておくと、残りの9割の
  中にも仕事をしている人はいるでしょうが、
  ちょっとしたバイト程度だったり、
  フルタイムの仕事でも生活するには
  とても足りない額しか稼げていないという
  有様です。(中略)
  要するに、2045年には、内実のある仕事をし、
  それで食べていけるだけの収入を得られる
  人が1割程度しかいない可能性がある、
  ということが私の主張の意味するところです。」

このように主張するのは、本書の著者で、
人工知能と経済学の関係を研究する
パイオニアの井上智洋さん。

このシナリオでは「汎用人工知能」が、
2030年頃には実現することが前提と
なっています。

汎用人工知能とは、人間のように「様々な」
知的作業をこなすことのできる人工知能。

これは今の世の中にある「特化型人工知能」
と区別されています。

SiriはiPhoneなどを操作することに特化し、
将棋の人工知能は将棋することだけに
特化しています。

この特化型人工知能の普及がもたらす影響は、
自動改札機などの機械が登場した時と、
質的にはほとんど変わりません。

人間が特化型人工知能に仕事を奪われても、
別の人間にしかできない仕事に転職する
余地が残されているからです。

しかし、1つの目的だけに限定されない
汎用人工知能が実現して普及すると、
人間に可能な知的振る舞いを一通り
こなすことができるので、転職するという
逃げ場がなくなってしまうのです。

つまり、汎用人工知能は多くの労働を
消滅させてしまい、経済の構造を根本的に
変革することになるのです。

汎用人工知能の普及によって訪れる世界は、
ユートピアなのか?

それともディストピアなのか?

  「それはどのような未来を私達自身が
  選びとるかに掛かっています。
  ユートピアにするには、恐らくは現在の
  社会制度のあり方を大きく変革しなければ
  ならないでしょう。
  汎用人工知能が普及した世界にぜひとも
  導入すべきだと私が考えているのは、
   “ベーシックインカム” です。」

ベーシックインカムのような社会保障制度が
なければ、汎用人工知能がもたらす未来は、
ごく一部の人だけが豊かになるので、
大半の人にとってはディストピアになる。

しかし、ベーシックインカムが導入されて
いれば、あらゆる人が遊んで暮らせる
ユートピアになるというのが、
本書のメインとなる主張です。

ちなみに、ベーシックインカムは、
収入の水準に拠らず全ての人に無条件に、
最低限の生活費を一律に給付する制度。

この「財源」について、井上さんは
次のように述べています。

  「新たな政策を導入する際には常に
  その財源が問われますが、およそ愚かしい
  ことだと思います。 “財源は限られている”
  という言い方がありますが、財源は
  限られてなどおらず増税すれば良いだけの
  話しです。」

人工知能に詳しい経済学者という
井上さんならではの未来予想図が、
なかなか興味深い本でした。

この本から何を活かすか?

  「仮に、AIの発達によって経済や社会の
  あり方が根本的に変革されることを
  シンギュラリティと呼ぶならば、2045年までに
  それは起きる可能性があると思います。
  とはいうものの、私はカールワイツや
  その他の論者が言うようなシンギュラリティが
  2045年辺りに起きると展望しているわけでは
  ありません。」

シンギュラリティとは、技術的特異点のことで、
人工知能が人間の能力を超えることで起こる
出来事のこと。

加速度的に伸びているコンピュータの
処理速度ですが、井上さんは、汎用AIが開発
されることは予想するものの、2045年までに
人類の知能を超えることには懐疑的です。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

関連記事

このエントリーをはてなブックマークに追加

| IT・ネット | 05:57 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://ikadoku.blog76.fc2.com/tb.php/2824-6a6dce7e

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT