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「健康食品」ウソ・ホント

満足度★★★★
付箋数:25

2015年4月から「機能性表示食品」という
新しい制度が導入されました。

これは、1991年に創設された「特定保健用食品」、
いわゆる「トクホ」の簡易版のような制度です。

1980年代に登場した「食品機能論」では、
食品には3つの機能があると、言われました。

エネルギーや栄養素の働きが一次機能、
嗜好面での働きが二次機能、
生体調整や疾病予防の働きが三次機能です。

機能性表示食品は、この三次機能を持つ
成分を含み、科学的根拠に基づいた
機能性を表示することが許可された食品です。

主な機能性関与成分名としてよく聞くのは、
難消化性デキストリン、乳酸産生菌、ルテイン、
ヒアルロン酸、グルコサミン関連などなど。

機能性成分を含む食品を食べれば、
その謳われている機能が、私たちの体内で
本当に発揮されるのでしょうか?

ある研究では、ラットのエサにニガウリ(ゴーヤ)
の乾燥粉末を添加して5週間食べさせたところ、
血糖値が約30%低下したという報告がありました。

確かにこの実験結果から、ニガウリには、
血糖値を下げる機能性成分が含まれると
いうことはできます。

しかし、この実験でラットが毎日食べた
ニガウリの量を体重50Kgのヒトに換算すると、
生のニガウリ9.5Kgに相当します。

これは毎日ニガウリを50本食べている分量。

ですから、「常識的な量」のニガウリを食べても、
血糖値が下がることはないのです。

逆に、薬でもない機能性表示食品の
常識的な摂取量の中に、その機能性を発揮する量の
物質が含まれていたら、逆に恐ろしいことなのです。

それでも、わずかな機能性成分が含まれていれば、
何も入っていない食品を食べるよりマシという
考え方もあります。

果たして、少しでも機能性成分が含まれていれば、
入っていないよりマシなのでしょうか?

それが、無害無益なら、少し値段が高いだけなので、
経済的損失だけで片付けられます。

しかし、健康食品の中には有害物質を含んでいて、
かえって健康被害になるものさえあると、
本書の著者、高橋久仁子さんは指摘します。

  「 “健康食品” が展開する巧妙な広告は、
   “ふつうの食事” だけでは “何かが足りない” 
  かのように不安を煽り、健康維持には
  機能性成分を配合した“健康食品”が
  欠かせないと、消費者の購買意欲をそそります。
  しかし、 “体に良かれ” との思いから摂取した
   “それ” が、実は “余計なモノ”  “危険なモノ” 
  かもしれないことへの関心は低いようです。」

本書は、特定保健用食品と機能性表示食品
および栄養機能食品の効果の実態を検証し、
蔓延する「機能性幻想」に警告を発する本です。

厳重な審査を受けて許可されたはずの
トクホでも、効果はほとんど期待できません。

ましてや、基準の緩い機能性表示食品は、
その効果が更に怪しい。

機能性表示食品は、国民の健康より、
国富の拡大を目的として、2年で作られた制度。

トクホにも存在しない成分物質が、
続々と入っているようです。

また、機能性幻想を煽る「広告」の問題点も
本書では指摘しています。

 序章 健康志向にしのびこむ「機能性幻想」
 第1章 「健康食品」で健康は買えない
    むしろ危ない10の理由
 第2章 トクホの “罠”
     “科学的根拠” を読解してわかったこと
 第3章  “第三の保健機能食品” 「機能性表示食品」
    を考える
 第4章 「栄養機能食品」を再点検する
 終章 「ふつうに」食べましょう

この本から何を活かすか?

「自分は、健康食品なんかに踊らされていない」
そう思っている方も多いかもしれません。

私も、健康食品なんて高齢者の話で、
自分は騙されていないと思っていました。

そんな私でも、本書を読んで、
やはり思い違いがあることに気づきました。

  「 “野菜不足の補いに野菜ジュースをどうぞ”
  という広告もよく見かけますが、
  実は野菜ジュースを飲んだからといって、
  野菜を食べている代わりにはなりません。
  野菜ジュースの原料はもちろん野菜ですが、
  野菜の絞り汁だけを集めたものです。
  そのため、絞り汁に入り込めない絞りかすが
  取り除かれてしまうからです。」

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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