活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

PREV | PAGE-SELECT | NEXT


≫ EDIT

人間を磨く

満足度★★★★
付箋数:24

世の中では、「人間を磨く」ためには、
古今東西の「古典」と呼ばれる書を読んで、
「人間力」を身につけよと言われることがあります。

古典を読むということは、そこに登場する人の
人生や言説から、優れた人物に学ぶということです。

しかし、実際には「古典」を読んだからといって、
なかなか「人間力」が身につくものではありません。

なぜ、優れた「古典」を読んでも、私たちには
「人間力」が身につかないのか?

それは、私たちの「意志が弱いから」でも、
「克己心が足りない」からでもありません。

本当の理由は、私たちが古典の「読み方」を
3つの点で誤解しているからです。

第1の誤解は、古典を読むときに、そこから
「人間として、かくあるべし」といった
「理想的人間像」を学ぼうとすること。

「人間として、かくあるべし」を学んでも、
そうした人間へと成長していく「具体的修行法」を
学ばなければ、私たちは、一歩も前に進んで
行くことはできません。

ですから、古典を読むときに大切なのは、
「いかにして、人間として成長していくか」という
「具体的修行法」を学ぶことなのです。

第2の誤解は、多くの古典が語っている
「我欲を捨てる」「私心を去る」といった言葉を、
表面的に受け止め、自分の中の「小さなエゴ」を
否定し、捨て去ろうとしてしまうこと。

なぜ、これが誤解なのかというと、
我欲や私心といった「小さなエゴ」は
決して捨て去ることはできないからです。

「小さなエゴ」は、捨て去ったと思っても、
実は心の奥に押し込まれ、隠れているだけで、
いずれ密やかに動き出します。

「小さなエゴ」に処する方法は、
ただ静かに見つめることだけなのです。

第3の誤解は、古典を読むときに、私たちは
目指すべき人間像として、1つの理想的な
「統一的人格」を心に描き、その人間像を
追い求めてしまうこと。

私たちが本当に目指すべきなのは、
理想的な「統一的人格」を心に描くことではなく、
自分の中に「幾つもの人格」を見出し、育て、
場面に応じて適切に切り替える能力を磨くこと。

誰からも尊敬される裏表のない「高潔な人」に
なるのではなく、自分の中にある「鬼」や「悪」
の部分から目を背けず、それを御していける
「もう1つの人格」を育てることなのです。

私たちが古典を読む場合は、ここで挙げた
3つの誤解を心に留めて読むべきなのです。

本書は、「非」や「欠点」や「未熟さ」を
なくすことにフォーカスするのではなく、
それらを抱えたまま、「人間を磨く」意味と
その具体的な技法について、田坂広志さんが
語った本です。

田坂さんのいつもの本と同じく、
1枚ずつ玉ねぎの皮を剥いていくように、
自問自答式で本質に迫ります。

田坂さん的な表現をするなら、1人弁証法で
アウフヘーベンする本とも言えます。

本書で紹介される、人間関係が好転する
「心の技法」は次の7つです。

 第1の技法 心の中で自分の非を認める
 第2の技法 自分から声をかけ、目を合わせる
 第3の技法 心の中の「小さなエゴ」を見つめる
 第4の技法 その相手を好きになろうと思う
 第5の技法 言葉の怖さを知り、言葉の力を活かす
 第6の技法 別れても心の関係を絶たない
 第7の技法 その出会いの意味を深く考える

これらの技法を実践して、修行を続けていくなら、
日々の人間関係は、自身の人間を磨き、
人間力を高めていく、素晴らしい機会に
なっていくようです。

この本から何を活かすか?

私たちの心の中には、いつも「自分は正しい」、
「自分は悪くない」と考える、傲慢さと呼ぶべき
「小さなエゴ」があります。

一方、「小さなエゴ」とは反対に
「今の自分を変えて、もっと成長したい」と願う
謙虚さと呼ぶべき「大きなエゴ」もあります。

この「小さなエゴ」と「大きなエゴ」は、
いつも心の中で、目に見えない戦いをしています。

他人から耳の痛い批判をされたときに、
この戦いが表面に出てくる。

これは批判された時こそ、相手の言葉に
謙虚になって耳を傾けるべきということです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

関連記事

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 自己啓発・セルフマネジメント | 06:17 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://ikadoku.blog76.fc2.com/tb.php/2797-6a457de3

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT