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読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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図解でわかるアジャイル・プロジェクトマネジメント

満足度★★★
付箋数:19

株式会社SCCの角井さんより献本いただきました。
ありがとうございます。

従来のソフトウェア開発のプロジェクトで、
最初の工程で行うのは、「要件定義」です。

この要件定義が明確でないと次工程以下の成果が
出せませんし、不明確のまま開発を進めてしまうと、
いわゆる「デスマーチ(死の行進)と呼ばれる
状態に陥ってしまいます。

しかし、実際には最初の段階で要件定義を
明確にするのは困難であることは、
ソフトウェア開発では常識となっています。

なぜなら、システムを発注する側は、
システム自体を欲しているわけではなく、
ビジネスを遂行する上でのツールを
欲しがっているだけからです。

ツールへの要求事項は、細かな仕様なんか
どうでもよく、いいものを早く、安く提供して
欲しいと、かなりザックリとしたものです。

発注側は、細かな仕様を聞かわれも興味がなく、
よくわからないというのが実情です。

制作側から、「こんなものでどうでしょう」と
聞かれても、「専門家の言うことだから」と
鵜呑みにして、最初の段階では細かな要求を
しないことが多いようです。

しかし、開発が進んで成果物の形が見えてくると、
「実はこう思う」とか「そこはこうでなくては困る」
などの、具体的な要求や指摘が出てくるもの。

それがプロジェクトの変更要求となって、
製作者を悩ませます。

これが何度も発生すると、製作者側では
「せっかく作ったのに・・・」と憤りを感じ、
ヤル気も失います。

実際、作業は大幅な手直しが迫られ、
余分なコストもかかり、プロジェクトの進捗には、
大幅な遅れが生じます。

こういった変更要求に対応しながらも、
良いものを素早く無駄なく作ろうとするのが
「アジャイル(agile) 」という開発手法です。

もともとは、「俊敏な」という意味を持つ言葉。

イテレーションと呼ばれる短い開発期間単位を
採用することで、変更要求に対する手戻りリスクを
最小限に抑える開発手法です。

ですから、アジャイルのソフトウェア開発が、
最も得意とするところは、「変化への対応」です。

欧米のソフトウェア開発では、当たり前となった
アジャイルですが、日本では名前だけは聞くものの
まだまだ事例が少ないのが実情です。

著者の鈴木安而さんは、約2年をかけて欧米や
日本のアジャイルに関する事例を研究しました。

鈴木さんは、アメリカの非営利団体PMIが策定した、
モダンプロジェクトマネジメントの知識体系である
PMBOKガイドの監訳責任者の方です。

そんな鈴木さんが、アジャイルについて具体的な
導入方法や日本における問題点などを明確にし、
プロジェクトを成功させるためのマネジメント手法
として体系的にまとめたのが本書です。

PMBOKガイドの翻訳経験を活かし、アジャイルの
独特な用語や表現もわかりやすく解説します。

また、途中に物語形式のアジャイル開発例も交え、
より具体的に伝わるように工夫しています。

これからアジャイル・プロジェクトの
マネジメントに挑む方には参考になる一冊。

 序論 プロジェクト手法の歴史
 第1章 アジャイル導入で変わる
     プロジェクトマネジメント
 第2章 プロジェクト手法の特徴と比較
 第3章 アジャイルを始めよう
 第4章 大規模プロジェクトへの適用
 第5章 アジャイルに適した契約
 第6章 スクラム知識体系(SBOK)ガイドの
     フレームワーク
 第7章 5つの観点
 第8章 5つのプロセス群(19プロセス)

この本から何を活かすか?

アジャイルの手法で、最も新しく、
最も優れているのが「スクラム」という手法。

語源は、ラグビー等スポーツの「スクラム」
から来ています。

実はこのスクラム、ある2人の日本人の論文を
元に考えられたアジャイル手法です。

その2人の日本人とは、竹内弘高さんと、
野中郁二郎さんです。

お2人が、ハーバードビジネスレビュー誌で
1986年に発表した「The new new product
development game」という論文の考えを
参考にして開発されたようです。

お2人は1996に刊行された名著、
知識創造企業』で知られるコンビですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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