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読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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神経ハイジャック

満足度★★★
付箋数:22

2016年7月22日、日本でもスマートフォン向け
ゲームアプリ「Pokemon GO(ポケモンGO)」が
リリースされ、大きな話題となりました。

このアプリで指摘されているのが、「歩きスマホ」、
「ながらスマホ」の問題です。

ポケモンGOによって、あなたの神経は
ハイジャックされる・・・・。

政府も盛んに、注意喚起していますが、
本当の怖さを伝えるには、
本書を配本した方がいいかもしれません。

ある調査によると、アメリカの成人の約9割が、
運転中の携帯・スマホの操作は違法にすべきだと
考えているそうです。

一方、アメリカ成人の6割以上の人が、
運転中に携帯メールをしたことがあるという
調査結果があります。

ほとんどの人が、やってはいけないと認識して
いるのに、やめられない状態です。

これはアメリカでのデータですが、日本でも
「わかっているのにやめられない」のは同じこと。

ポケモンGOによって、さらにこの状態が
加速する危険性があるでしょう。

本書は、「ながらスマホ」の危険性に
警鐘を鳴らす本です。

著者は、ニューヨーク・タイムズ紙記者の
マット・リヒテルさん。

リヒテルさんは、不注意運転のリスクと
根本原因を明らかにする記事で
ピュリツァー賞を受賞した方です。

本書は、ある悲惨な交通事故の顛末を追った
ノンフィクションであると同時に、
脳科学などの最先端のサイエンスから
原因探る科学ルポルタージュでもあります。

2006年のある夏の日、米ユタ州に住む19歳の青年、
レジー・ショーさんが、自動車事故を起こしました。

この事故で、2人の優秀なロケット技術者が
亡くなりました。

  「ユタ州警察の少数の捜査官たちがこの事件に
  目をつけた。頑固者で知られるある捜査官は、
  レジーが携帯電話に気をとられていたせいで
  衝突事故を起こしたのだと確信した。
  メールでも打っていたにちがいない。(中略)

  レジーのほうは、衝突の原因が何か思い出せない
  と主張した。証拠が出てくるとそれを否定し、
  自分自身、そんな証拠は嘘だと思い込んだ。」

ショーさんには、本当に事故当時の記憶が
ありませんでした。

彼の注意力は携帯によって完全に奪われ、
視野が狭くなるだけでなく、記憶さえも
曖昧になってしまったのです。

2つ以上のことを同時に行うマルチタスクは
幻想に過ぎなかったのです。

それどころか、携帯やスマホというツールは、
「つながりたい」、「認められたい」という
人間の根源的な欲求に訴え、たとえそれが
運転中の危険な状態であっても、
抑えられない「依存性」が出てしまうのです。

本書の物語は、決して他人事ではなく、
「ながらスマホ」は、飲酒運転以上のリスクが
あることを認識させられます。

本書は、科学面での取材もしっかりして、
「なぜ、ながらスマホをやめられないのか?」
という原因に迫る優れたノンフィクションです。

ただし、500ページ超の分厚い本で、
前半はかなり読むのがしんどいです。

登場人物も多く、場面も頻繁に切り替わるので、
ついていけず、読むのを挫折してしまう人も
多いかもしれません。

しかし、後半はリヒテルさんの筆力によって、
グイグイ引き込まれていくので、
何とか前半は頑張って読んで欲しいところです。

この本から何を活かすか?

喫煙者は、煙草のパッケージを開けたり、
煙草に火をつける段階で、ニコチンが吸引できると
思って少量のドーパミンが放出され、興奮します。

これと同様にスマホを軽くタップするだけで、
ドーパミンが放出され、ちょっとした快感が
得られるようです。

  「これは基本的に双方向的な現象である。
  キーにふれると反応があり、スクリーンに
  ふれると情報や報酬が得られる。
  それ自体が悪いことではない。
  だが、グリーンフィールド博士によると、
  われわれは次から次にその欲求を満たそうとする。
  クリック、またクリック。すると、強い興奮が
  感じられなくなったとき、物足りない気分に陥る。
   “だから、もっともっととなるのです” 」

スマホはこうした特性をもっていると認識して
付き合う必要がありそうです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 科学・生活 | 08:26 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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