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読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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大前研一 日本の未来を考える6つの特別講義

満足度★★★
付箋数:24

  「現在の日本というものは、見えている将来像が
  世界のどこよりも暗い像となった国とすらいえる
  でしょう。その見えている像に対してストレート
  に考え、それを正直に政治課題として取り上げる
  人がいない。これが最大の課題です。
  タイタニック号が氷山に向かうように、
  先が見えているにもかかわらず、船上で
  パーティーをやっているようなものなのです。」

これから日本の人口減少は進み、2040年には、
今よりも相当多くのゴーストタウンができると
大前研一さんは予測します。

人口が減少すると、納税能力が下がります。

すると、今よりもますますサービスレベルを
落とさなければなりません。

例えば日本の年金は、最終勤務年度の給料に
比べて35%程度しかもらえていません。

これは先進国の中では一番低く、50%ぐらいが
一般的な水準です。

しかし、日本では2040年になると
30%を切ることが見込まれています。

以前から言われていることですが、勤労者2人で
1人の老人の面倒を見なければならない世界に
日本は突入しようとしているのです。

この見えている問題に対して、政治課題として
取り上げて、解決しようとする人が少ないのが
日本の現状です。

誰もが思考停止に陥っている状態とも言えます。

このようになってしまった、根本の原因は、
日本の教育方法にあると大前さんは指摘します。

  「 “教えたことを覚えなさい” ということを
  前提とした20世紀の教育法が、 “ロジカルに
  見えているものを全部足しあわせて本質の姿を
  直視すること” ができない人を生み出して
  しまったのです。この姿が直視できれば、
  みんなでなんとかしようと考えるはずなんです。
  見えているものに対して向き合っていない。
  この結果として、少子化やゴーストタウンの
  問題が出てくるのです。」

本書は、大前さんが企業経営者に向けて行う
勉強会、「向研会」の内容を書籍した本です。

2016年3月に刊行された
大前研一 世界を知る6つの特別講義』に
続くシリーズ第2弾です。

既に、「大前研一ビジネスジャーナル」として
オンデマンド版またはKindle版で出ている
本の総集編となります。

前作はNo.1~No.3までをまとめていましたが、
本作ではNo.4~No.6までの内容を基に
編集・構成されています。

 No.4 迫りくる危機をいかに乗り越えるか
  ~2015年経済予測・日本のエネルギー問題~

 No.5 2040年の崩壊
  ~人口減少の衝撃・地域活性化の現状と課題~

 No.6 「教える」から「考える」へ
  ~世界の教育トレンド・日本人の海外シフト
   の現状と課題~

以上の内容を、本書では6つの講義として
まとめています。

前作より少しだけページ数は減ったものの、
400ページ弱の圧倒的なボリュームで、
非常にお得感のある内容です。

日本の未来をグローバルな視点から見通し、
問題の本質に迫ります。

そして、問題点を挙げるだけではなく、
ロジカルに考えて、最も有効な解決策を
示すのが大前さんの講義です。

ただし、取り上げられている問題と解決策は、
以前から大前さんが主張している内容ですから、
大前さんの発言に常に注目している方には、
目新しい内容ではないかもしれません。

この本から何を活かすか?

  「私はやはり原発再稼動に向けた努力をすべき
  だと考えます。ここで尻尾を巻いて逃げ出す、
  全部やめるというのは、完全な敗北思想です。
  原因を分析すれば安全な設計ができるのですから、
  技術的に乗り越えられない問題ではありません。」

原発再稼働は一筋縄ではいかない問題です。

大前さんは、基本的に原発再稼働の賛成派。

ただし、それがダメなら徹底した節電を行い、
更にサハリンからの送電、パイプラインでガスを
送る、地熱発電の推進と燃料電池の導入を
同時に行います。

どれか1つだけ採用して他の案を捨てるのではなく、
原発・節電・代替エネルギー3つの案を同時並行に
進めることが望ましいと結論づけています。

感情的に原発に反対することは簡単ですが、
ロジックで大前さんの主張を突き崩すのは、
難しいように思えます。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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