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読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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「0から1」の発想術

満足度★★★★
付箋数:25

  「私はビジネスマンが生き抜くために必要な
  最大のスキルは “0から1を創造する力” 、
  すなわち “無から有を生み出すイノベーション力”
  だと考えている。」

本書では、大前研一さんが、イノベーションを
生み出すための11の発想法を紹介します。

内容は、ビジネス・ブレークスルー大学大学院で
教えている「イノベーション講座」を書籍化したもの。

では、本書から「観覧車」の事例を紹介しましょう。

観覧車は営業中は動かしておく必要があるため、
維持、運転にかかる費用は固定費となります。

しかし、実際の利用率は土日祝日の午後や夜は
混雑し、平日の昼間はガラガラ。

では、平日の昼間の稼働率を上げるには、
どうしたらいいのでしょうか?

これは、本書の11の発想法の1つ、
「固定費に対する限界利益の貢献の最大化」
という考えです。

観覧車でなくても、様々な業界・業種で、
繁忙と閑散の差は、常に生じる問題です。

この観覧車の問題で、一番やってはいけないのは、
公に示す価格をいじること。

例えば、週末や夜間は1000円のところを
平日の昼間は400円にするなどです。

多くの人が、単純に料金表に平日の割引料金を
導入する発想をしてしまいます。

いつもの大前さんなら、そんな発想をすると
「思考停止」と厳しく非難しそうですが、
本書では、比較的に穏やかに書かれています。

平日の割引料金を示すことがダメな理由は、
「スピルオーバー効果」が生じるから。

スピルオーバー効果とは、費用を負担した者
(週末の利用者)に提供される便宜が、
負担しない者(平日の利用者)にまで、
及んでしまうこと。

確かに、平日割引を導入すると一時的に
稼働率は上がりますが、週末に訪れた客は
この料金表を見て平日より600円も割高だと
感じます。

その結果、不平等感だけが残り、いずれ
この観覧車は一律1000円の値段に戻すか、
赤字覚悟で400円にことになってしまいます。

では、大前さんだったら、この問題をどのように
解決するのでしょうか?

平日割引の問題点は、その価格が公に示されて
いることでした。

大前さんは、客のグループを「シールド化」して、
割引料金が他の利用客に波及しないような
施策を取ります。

例えば、GPSを利用してLINEなどで観覧車の
近くに来ている人たちのスマートフォン宛に
「3時間以内限定の割引券」を配信する。

このように特定のターゲットを狙って、
効率的に狭い範囲で広告や販売促進活動を行う
「ナローキャスティング」の手法を使います。

また、観覧車の料金を一定にして、その代わりに
同じ施設が運営するカフェの無料券を配布する
方法も示されていました。

いずれにせよ、客をセグメント化して、
他の客が得た利益がわからないように
することがポイントです。

実際にハーツレンタカーやアメックス、
アマゾンなどは、すでにこういった手法を
活用しているようです。

本書は、大前さんの著書の中では、
あまり思想面が出ておらず、ノウハウに特化して
書かれていますから、非常に読みやすい本です。

個人的には、名著『企業参謀』の次に、
人に薦めやすい本だと思いました。

過去の著作で何度も登場する大前さんの
コンサルタント時代の実績も出てきますが、
発想法のフレームで再整理されているので、
わかりやくすなっています。

この本から何を活かすか?

本書で示される11の発想法は以下の通りです。

  1. SDF/戦略的自由度
  2. アービトラージ
  3. ニュー・コンビネーション
  4. 固定費に対する貢献
  5. デジタル大陸
  6. 早送りの発想
  7. 空いているものを有効利用する発想
  8. 中間地点の発想
  9. RTOCS/他人の立場に立つ発想
  10. すべてが意味することは何?
  11. 構想

これらは、0から1を生み出すための
「大前流イノベーティブ思考の原点」であると、
大前さんは語っています。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 経営・戦略 | 08:14 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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