活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

PREV | PAGE-SELECT | NEXT


≫ EDIT

ロケット・ササキ

満足度★★★★
付箋数:23

すぐにでも本書をダウンロードすることを
勧めたいところですが、残念ながら2016年6月現在、
本書のKindle版は出ていません。

書店に足を運ぶことが可能な方は、プロローグだけ
でも本書を手に取って、読んでみてください。

これは本当の話なのか? それとも創作なのか?

疑ってしまうような話から本書は始まります。

プロローグを読んでグッと来たら、
本書を買って損はありません。

怒涛の勢いで進む本編は、プロローグ以上に
ドラマチックで面白いことは私が保証します。

本書は、シャープ元副社長の佐々木正さんの
痛快無比な人生を描いたノンフィクション。

孫正義さんがアメリカに留学中に開発した、
「音声機能付き電子翻訳機」を日本のメーカーに
売り込んで、1億6000万円もの資金を手にした
エピソードは有名です。

孫さんが、松下電器や三洋電機に持ち込んでも
相手にされなかった電子翻訳機を、
人物を見込んて出資を決めたのが、
当時、シャープ中央研究所の所長を務めていた
佐々木さんでした。

孫さんが事業資金を調達できずに、
困っていた時にも、佐々木さんは助けます。

佐々木さんは、第一勧銀の常務に電話をして、
自分の退職金や自宅を担保に入れてまで、
若く何の実績もない孫さんに融資するように
頼んだのです。

孫さんが、佐々木さんを大恩人と仰ぐのは
こういった関係があるからです。

この有名なエピソードも、本書に登場しますが、
佐々木さんのドラマチックな人生の中では、
あくまで1つのエピソードに過ぎません。

佐々木さん自身、ミッションインポッシブルを
次々と実現していきます。

優秀な科学技術者でありながら、圧倒的な人間力で
仕事を進める佐々木さんが、最も大切にしたことは
「共創」です。

佐々木さんが、当時、早川電機という社名だった
シャープに入社して、産業機器事業部長に就くと、
研究員たちは開発の問題に突き当たると、
佐々木さんに相談しました。

  「ああそれなら、三菱電機に頼みなさい。
  僕から電話しておいてあげよう」

  「それは(当時、世界最大の電機メーカー
  だった)RCAに聞くのが早い。
  向こうが朝になったら電話しよう」

研究室の中だけで、問題を解決しようとしていた
技術者たちの考えを超えて、佐々木さんは、
広い見識と人脈で、すぐに解決策を見出しました。

そして、「共創」について次のように語りました。

  「いいかい、君たち。わからなければ聞けばいい。
  持っていなければ借りればいい。逆に聞かれたら
  教えるべきだし、持っているものは与えるべきだ。
  人間、一人でできることなど高が知れている。
  技術の世界はみんなで共に創る『共創』が肝心だ」

この佐々木さんの共創の教えは、孫さんにも、
スティーブ・ジョブズさんにも影響を与えることに
なりました。

また、佐々木さんのチームが開発したMOS-LSI
の技術で、アポロ12号は、月面のカラー中継に
成功しました。

佐々木さんと早川電機は、この功績によって
NASAから「アポロ功労賞」を受けました。

しかし、本書のタイトル「ロケット・ササキ」は、
その開発した技術からついたものではありません。

MOS-LSIを開発していたチームで、
佐々木さんの豊かすぎる発想と、
圧倒的なスピードについたアダ名です。

  「戦闘機のスピードでは、ササキには追いつけない。
  ロケット・ササキだ」

この本から何を活かすか?

電卓戦争が集結した1977年春、松下幸之助さんから、
佐々木さんのもとに、ある依頼が来ました。

それは、「電卓戦争でなぜ松下はシャープに
勝てなかったか」を、松下電器本社で講演して
欲しいという依頼でした。

当然のことながら、これまで松下に、さんざん
煮え湯を飲まされてきたシャープの役員陣は、
この依頼を受けることに大反対します。

しかし、ここでシャープの創業者、
早川徳次さんは反対する役員を一喝します。

  「少しばかり教えたくらいで負けるなら、
  シャープなどその程度の会社だということです。
  そんなことで、負けるシャープじゃない。
  佐々木さん、構いません。
  行って、存分に話しておやりなさい」

講演を依頼する松下さん、それを認める早川さん、
そして、どう戦ったかを存分に話す佐々木さん。

いずれも凄い人たちです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

関連記事

このエントリーをはてなブックマークに追加

| ビジネス一般・ストーリー | 12:43 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://ikadoku.blog76.fc2.com/tb.php/2748-8b0a512e

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT