活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

PREV | PAGE-SELECT | NEXT


≫ EDIT

会社の中はジレンマだらけ

満足度★★★
付箋数:21

  「こらから本書では、組織に満ちあふれる
  ジレンマをたくさん取り上げ、それぞれについて
  実務家はどう考えるか、アカデミックには
  どう考えるか、ということを論じ合っていきます。
  読者のみなさんには、私たちの議論を参考に
  しつつ、こうしたジレンマに陥ったときに
  自分だったらどうするか、紙上で決断して
  いただければと思います。たとえ紙上の仮想の
  決断であっても、こうした経験をくり返すことが、
  現場マネジャーのトレーニングになると
  筆者たちは考えています。」

実務家の代表は、ヤフーの上級執行役員で、
コーポレート統括部長の本間浩輔さん。

本間さんは、ヤフーにおいて様々な人事制度改革に
取り組んでいる方です。

アカデミック代表は、東大総合教育研究センター
准教授の中原淳さん。

経営学習論、人的資源開発論が専門で、
企業や組織における人々の学習・成長・
コミュニケーション・リーダーシップについて
研究している方です。

中原さんが慶応丸の内シティキャンパスで
主宰していた授業に、本間さんが参加したことが、
お二人が知りあったきっかけ。

以来、本間さんは中原さんをアカデミアの師
と仰ぎ、お付き合いされているようです。

本書は、会社が抱える様々なジレンマについて
お二人が対談した本です。

本書では、「どちらを選んでもメリットも
デメリットもあるような二つの選択肢を前にして、
それでもどちらかを決めなくてはならない状況」
のことをジレンマと呼んでいます。

 第1章 なぜマネジャーに現場の仕事が増えるのか
 第2章 なぜ産休社員への人員補充がないのか
 第3章 なぜ働かないおじさんの給料がたかいのか
 第4章 なぜ新規事業のハシゴはすぐはずされるのか
 第5章 なぜ転職すると給料が下がるのか

いずれのジレンマにつても、発生する原因が
解明されていたり、その解決方法が明示されて
いるわけではありません。

お二人が示すのはあくまで多様な視点です。

例えば、あなたの職場にほとんど働かないのに、
給料をもらい過ぎている人がいたとしても、
それはあくまで、あなたから見てそう思えるだけ。

そもそも誰もが給料分働いているわけでは
ありません。

誰もが納得する仕組みに制度改革しようとすると、
逆にコストがかかってしまって、全員の給料が
下がってしまったり、今まで以上に不満の多い
人事制度になってしまうことさえあります。

お二人は、「そんなこともあるよね~」と
軽いところから入り、そのジレンマが生じる
組織の抱える問題点を様々な角度から見ていきます。

先日記事にした瀧本哲史さんの『読書は格闘技
では、1つのテーマに対して、考え方の異なる
2人の著者の本を紹介していました。

その2人の著者に、瀧本さんと読者も加えて、
お互いの主張をぶつけ合う「知のバトルロイヤル」
をすることが推奨されていました。

その考えを真似て、本書では本間さんと中原さん、
それに読者が加わり、1つのジレンマについて、
バトルロイヤルを繰り広げてもいいかもしれません。

立場が違えば、主張も違う。

そこにコンフリクトやジレンマが生じるのは、
当たり前です。

だからこそ、お互いの立場の人の声を聞く
必要があり、対話することで初めてその組織は
アウフヘーベンの機会が得られるのだと思います。

この本から何を活かすか?

2015年11月に資生堂は、子育てのために時短で
働く美容部員にも接客ノルマや遅番・土日勤務を
こなしてもらうと発表しました。

本書では、いわゆる「資生堂ショック」から
読みとくべき3つのコンテキスト挙げています。

 第1に、資生堂は子育て支援ではトップクラスの
 会社で、常に人事制度のフロントランナーとして、
 女性に関する制度を充実させてきたここと。

 第2に、現在の資生堂を取り巻く経営環境は厳しく、
 美容部員の方々の生産性向上が改革の1つの柱に
 なったこと。

 第3に、時短社員の割合が増えすぎると、
 支え合いが難しくなり、資生堂ではその臨界点を
 超えてしまった可能性があること。

中原さんは、この問題は更に2つのメッセージを
含んでいると指摘しています。

 ・共働き世帯では、なぜ女性だけが子育てを
 担わなくてはならないのか?

 ・なぜ女性を多く雇用する企業だけが、
 この問題に取り組まなければならないのか?

単に報道を聞いた一方的な視点だけで、
「資生堂は酷い」という批判はできないようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

関連記事

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 組織・社内教育・コーチング | 09:39 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://ikadoku.blog76.fc2.com/tb.php/2744-4ec7cc8f

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT