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読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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日本人の知らないHONDA

満足度★★★★
付箋数:25

本田技研工業は、2000年4月にアラバマ州東部の
小村、リンカーンに新しく建設する自動車工場の
鍬入れ式を行いました。

当日は天候にも恵まれ、美しい青空のもと、
気温は27度近くまで上がりました。

地域の住民や州知事、市長、地元出身の議員など
多くの招待客が参加。

ホンダ側からは、社長の吉野浩行さん、
ホンダ・オブ・アメリカの役員、リンカーン工場の
顧問団などのトップクラスの重役が参加しました。

吉野社長はスピーチの中で、ホンダがこれまで、
長持ちするエンジンを徹底して作り続けてきた
技術の会社であることを語りました。

そして、こらから建設されるリンカーン工場は、
自動車とエンジンの両方を作る特別な工場に
なることをアピールしました。

いよいよ鍬入れ式の時間になり、
吉野社長と、ワトソン市長がホンダの耕転機を
使って鍬入れ式を行うと、アナウンスされました。

  「ホンダのアラバマ新工場建設開始の
  カウントダウンです。5、4、3、2、1。
  エンジン点火! スコップもお願い致します!」

ここで驚くべきハプニングが起こりました。

吉野社長は耕転機のスターターの紐を
自信たっぷりにゆっくりと引きましたが、
エンジンは何の反応も示しません。

吉野社長が、何度スターターの紐を引っ張っても
エンジンは咳き込むような音を立てるだけで、
一向にかかる気配はありません。

誇らしい新工場に捧げられた自社製のエンジンが
動かないという皮肉に、参加者たちにも緊張感が
走り、会場は居心地悪い空気になってきました。

みな目をそらしたい気持ちにかられました。

ここで、吉野社長は会場の誰もが予想しなかった
驚きの行動を起こします。

メンテナンス担当者に助けを求めることもなく、
動かない耕転機をみずから調べ始めました。

しゃがみこんでエンジンを見つめ、無造作に
スパークプラグ、キャブレター、ガス管を
次々と調べていきます。

一通り調整すると、チョークレバーを倒して
立ち上がり、もう一度紐を引きました。

今度は見事にエンジンはかかりました。
その間、2分もかからない早業でした。

この珍事を聞いた、ある自動車業界専門の
コンサルタントは、次のような発言をしました。

  「業界はあの話で持ちきりだった。
  リンカーンの出来事を初めて聞いたとき、
  私は笑って、
  『あのバイク会社がまた自動車業界で無理してる』
  と言った。
  でも数日後、車で通勤してる途中で気づいたんだ。
  いや、ホンダは失敗するが回復が早い。
  ネガティブをポジティブに変えてしまう、とね。
  あれ以来、誰もが
  『うちの社長はエンジンを直せるのか?』と
  自問しているだろう。おそらく無理だ。
  直そうとすらしない。ホンダは賢くて機転が利く。
  バスケットボールで言えば、大きく攻めることも、
  小さく守ることも同じくらいうまいんだ」

本書の原題は『Driving Honda: Inside the
World's Most Innovative Car Company


著者のジェフリー・ロスフィーダーさんは、
ジャーナリズム分野で数々の賞に輝いてきた
ベテラン・ジャーナリストです。

本田宗一郎さんが創業してから、一貫して
「独創」を重んじてきたホンダを徹底取材。

アメリカでのホンダ幹部やエンジニア、
現場作業員にもインタビューを重ね、
ホンダのDNAがどのように受け継がれているかを
見事にレポートしています。

本田宗一郎さんと藤沢武夫さんのエピソードは
もちろんですが、それ以外のストーリーも
読んでいて非常に興奮する本です。

この本から何を活かすか?

史上もっとも成功したキャンペーンのひとつ
と言われる「素晴らしい人々、Hondaに乗る」

ホンダは1962年から大手広告代理店の
グレイ・アドバンタイジング社の提案を受け、
『YOU MEET THE NICEST PEOPLE ON A HONDA
(素晴らしい人々、Hondaに乗る)』を
キャッチコピーとする広告キャンペーンを展開。

主婦、若いカップル、犬を連れたリッチな女性
などがスーパーカブに乗るイメージ広告です。

それまで、アウトロー的なイメージが強かった
バイクが、一般的な交通手段として
認知されるようになった伝説的な広告です。

このキャンペーンについての記事は、
ホンダの公式サイトでも読むことができます。

ナイセスト・ピープル・キャンペーン
"Nicest People"Campaign Causes a Sensation

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 経営・戦略 | 14:19 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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