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読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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STAP細胞はなぜ潰されたのか

満足度★★★
付箋数:18

  「STAP細胞は本当に存在するのか?
  『あの日』(講談社)に書かれていることは
  本当のことなのか?
  小保方晴子氏の発見は事実だったのか?
  いまSTAP細胞や小保方晴子氏に興味や関心を
  持つ人が知りたいのは、そのことだろう。
  本書は、その疑問に答えを出すことにしたい。
  そう、STAP細胞は存在する。
  『あの日』に書かれていることは本当のことだ。
  小保方晴子氏のSTAP細胞の発見は事実だった。
  これが本書の結論である。」

本書は、STAP細胞の存在を支持し、
小保方晴子さんを全面的に擁護する本です。

著者は科学ライターの渋谷一郎さん。

STAP細胞の存在を否定するのが世間の大勢なので、
こういった少数派の主張を聞くのは貴重です。

ただし、本書を読んでも、STAP細胞は存在する
という確信も、存在しないという確信も、
どちらも持てなかったというのが、正直な感想です。

それは、小保方さんが『あの日』に記した内容が
すべて事実であることを前提に、本書の主張が
組み立てられているから。

『あの日』の内容に対して、関係者から
反論が出ないから、事実であると結論付けるのは
ちょっと乱暴な気がします。

そもそも、「悪魔の証明」と呼ばれるように、
存在しないことの証明は、存在することを
証明するより、非常に困難です。

賛成派はSTAP細胞が存在する事実を挙げて、
その追試が成功し、再現性が確認できれば、
STAP細胞があることを証明できます。

ですから、STAP細胞の存在が事実であれば、
それを証明することは不可能ではありません。

一方、反対派は小保方さんがSTAP細胞を作る
追試に失敗しても、それで存在しないことの
証明にはなりません。

余談ですが、数学の分野で、ないことを
証明するためには「背理法」を用います。

これは存在すると仮定して、その矛盾を挙げて
存在しないことを証明する方法でした。

そんな訳で、反対派はSTAP細胞がないことを
証明することは不可能に近いので、
小保方さんの発表した論文の瑕疵を探して、
その信頼性を崩す方法を採用しているのです。

もともと小保方さんは、リケジョの星として、
注目されていた反動もあって、瑕疵探しから、
行き過ぎたバッシングの流れが作られた
印象を受けます。

小保方さんの一連の報道を見ていると、
堀江貴文さんがネットの寵児として注目され、
その後、検察に追い詰められ収監されたときの
天国から地獄の状態を思い出します。

世間ではヒーローやヒロインが登場することを
待ちわびていますが、その人が凋落していくのも
好まれるストーリーなのでしょう。

さて、本書は『あの日』に書かれている内容を
取り上げ、丹念に解説しています。

  「『あの日』は冒頭の数章を除いて、
  専門用語や実験の手続きの詳細が頻出して、
  一般の人にとって、書かれていることのすべてを
  理解することは難しい。
  本書はそうした読者、再生医療や細胞生物学は
  もちろん、生物学の知識もほとんどないという
  普通の人に向けて、できるだけわかりやすく
  解説していく。」

ただし、STAP細胞に関する科学的な事実よりも、
人間としての小保方さんや、陰謀論だけに
興味がある方にとっては、本書で解説される
内容でも難しく感じるかもしれません。

この本から何を活かすか?

本書では次の4つの理由によって、STAP細胞が
存在したことは明らかだとしています。

 1. 2014年12月19日理研から発表された
  「STAP現象の検証結果」に「STAP様細胞塊が
  観測された」とはっきり書かれていること。

 2. 理研や若山照彦教授、小保方さんが放棄した
  STAP細胞に関する特許出願が、いまだに
  ハーバード大学の附属病院が保持していること。

 3. STAP細胞論文によく似たiMuSCsの論文が
  発表されたこと。

 4. 内外の研究者による再現実験が成功したことが、
  『あの日』で報告されていること。

私はこの4つの理由を読んでも、STAP細胞が
存在するかどうか判断はつきませんでした。

いずれにせよ、今回の騒動の鍵を握っている
若山教授がもっと口を開かなければ、
真相究明は進まないように思えます。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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