活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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読書は格闘技

満足度★★★
付箋数:23

  「本書で私が強調したいのは、 “読書は格闘技”
  だということである。
  これは、自著『武器としての決断思考』で
  強調したことでもあるが、書籍を読むとは、
  単に受動的に読むのではなく、著者の語って
  いることに対して、 “本当にそうなのか” と疑い、
  反証するなかで、自分の考えをつくっていく
  という知的プロセスでもあるのだ。」

著者の瀧本哲史さんは京都大学の客員准教授で
あり、同時にエンジェル投資家でもある方。

非常に論理的かつ刺激的な文章を書く方で、
私の中で瀧本さんは知のデマゴーグ(扇動家)的な
印象です。

本書で、瀧本さんは1つのテーマにつき、
考え方の異なる2冊の本を紹介します。

その2冊をディベートさせるのが本書の特徴。

  「互いの本が評論の中で、激しく格闘を繰り
  広げる、そういう組み立てにしていこうと思う。
  私の役割は第一義的にはこの格闘技のレフリー、
  審判であるが、私が読むという行為自体が
  格闘技であるから、三者間でバトルロイヤルを
  展開していくということになる。」

更に、読者もこの知のバトルロイヤルに
参加することが求められます。

  「読者と本書との関係についても、述べて
  おきたい。この評論を読むということ自体も
   “読書” であるから、読書はこのアプローチの
  異なる本と私との間のバトルロイヤルの観客で
  終わることは許されない。読者自身が、読書を
  通じて、この “評論” という名の格闘技に
   “参加者” として、主体的に関わって頂きたい。
  つまり、批判的に比較し、それまでの自分の
  ものの見方と戦わせて頂きたい。」

こういった瀧本さんの考え方のベースに
なっているのが、『武器としての決断思考』で
紹介されていた「ディベート思考」です。

ディベート思考とは、二者択一で結論が出る
テーマを論題に選び、メリットとデメリットを
3つの条件で考え、論理的にツッコミを入れて、
主張が正しいかどうかを検討する思考法です。

この戦いに読者も参加するわけですから、
知的にハードなことが要求されています。

本書で提供されている戦いの場は、
イントロダクションを除くと全部で12ラウンド。

これは、ボクシングでいうと世界戦と同じ
ラウンド数なので、本書は読書の世界戦という
位置づけなのかもしれません。

では、いくつかの戦いの対戦者を見てみましょう。

 Round1 心をつかむ
  『人を動かす』VS『影響力の武器
 Round2 組織論
  『ビジョナリー・カンパニー』VS『君主論
 Round3 グローバリゼーション
  『フラット化する世界』VS『文明の衝突
 Round8 未来
  『一九八四年』VS『ニュー・アトランティス

まさに異種格闘技的な様相ですが、ここまでの
マッチメイクはわからないでもありません。

しかし、Round10の教養小説のマッチメイクは
私の想像の範囲大きく超えるものでした。

「大人になるということ」というテーマで
選ばれた本の1冊は、ドイツの詩人ゲーテさんの
ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』。

これに対戦するは、総売上1億部を超える、
あだち充さんの漫画、『タッチ』でした。

個人的には『タッチ』を教養小説と
定義するところに、瀧本さんの懐の深さを
感じました。

この本から何を活かすか?

私はRound10の『ヴィルヘルム・マイスター』も
タッチ』も読んだことがなかったので、
この戦いは、単なる観衆として試合を見ていました。

これまで『タッチ』は生理的に受け付けない
ような気がして、ずっと避けていましたが、
この戦いを見て、読んでみようと決心しました。

『ヴィルヘルム・マイスター』は図書館で借り、
『タッチ』まんが喫茶にでも行って読んでみて、
改めてRound10の戦いに参加しようと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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