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読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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物語戦略

満足度★★★★
付箋数:24

  「多くの企業は、他社と決定的に異なる強みを
  持っているわけではありません。同じ業界の中で、
  同じような戦い方を取っています。また他社との
  違いはあっても、絶対的に差がある強みとまでは
  言い切れないのではないでしょうか。
  そのような状況で、自社が他社と違うところを
  際立たせ、 “選ばれる会社”を 目指して
  組織の方向性をひとつにしていくために、
  物語の力は有効です。」

本書では、「企業の持つ強みを象徴する物語」の
ことを「シンボリック・ストーリー」と呼びます。

本書は、シンボリック・ストーリーを使った戦い方、
「物語戦略」の構築の仕方を解説する本です。

著者は、コミュニケーション戦略プランナーの
岩井琢磨さんと、マーケティング・ディレクターの
牧口松二さんです。

例えば、スウェーデンの自動車メーカー、
ボルボは、次のようなシンボリック・ストーリーを
持っています。

現在、私たちが当たり前のように使っている
「3点式シートベルト」は、ボルボのエンジニア、
ニルス・ボーリンさんが発明したものです。

それまでの2点式シートベルトに比べ、
格段に安全性を高める技術として生み出されました。

ボルボは1959年にPV544という車種に世界で初めて
3点式シートベルトを搭載。

そして、ボルボとボーリンさんは、
この安全技術の恩恵が誰でも受けられるように、
特許を無償公開しました。

ボルボは、3点式シートベルトの発明と特許の
公開によって、「100万人以上の人の命を救った
エンジニア」としてボーリンさんを紹介しています。

シンボリック・ストーリーとは、単にいい話や
聞いて欲しい話ではありません。

人に話したくなる話でも、戦略に合っていなければ、
企業にとって意味のないトリビアです。

戦略に合っていても、人に話したくなる物語で
なければ、顧客にとっては迷惑な自慢話です。

語り手の戦略に合致し、人に話したくなる物語
こそが、その企業の独自性や強みを象徴する
シンボリック・ストーリーなのです。

  ・タイタニックに積まれていたルイ・ヴィトン
  ・売っていない商品の返金応じるノードストローム
  ・勤務中に社員をサーフィンに生かせるパタゴニア
  ・マグロの完全養殖に成功した近畿大学
  ・社員を肥満にしないタニタの食堂

本書では、シンボリック・ストーリーを使った
成功した事例を紹介しつつ、「物語戦略」の
つくり方を解説します。

事例が事例だけに、「そんな有名な会社には
物語があるかもしれないが、ウチの会社にはない」
と思う方がいるかもしれません。

しかし、小さな会社であろうが、創業したばかりの
会社であろうが、シンボリック・ストーリーを
紡ぎだすとは可能なのです。

まずは、「人的資源タイプ」、「物的資源タイプ」、
「組織資源タイプ」の3つのタイプに分けて、
社内に眠っている物語をいくつも発掘します。

次に、発掘した物語の中から、企業の強みを
象徴していて、戦略に合致して、
人に話したくなるような物語に絞り込みます。

シンボリック・ストーリーの候補が決まったら、
VRIO分析や、ヒーローズ・ジャーニー分析で
その物語の「力」をテストします。

最後に、戦略要素の筋を通し、物語を埋め込み、
戦略オプションを考え、シンボリック・ストーリー
とビジネスモデルをつなぎ合わせます。

この本から何を活かすか?

タイタニック沈没の時に、ルイ・ヴィトンの
トランクは沈まずに、それにつかまって助かった
乗客がいたといいます。

また、沈没から数十年たって、船体に取り残された
ルイ・ヴィトンのトランクを引き上げてみると、
中にはまったく水が入っていなかったとか。

にわかに信じがたい逸話で、真偽も不明です。

しかし、「ヴィトンのトランクなら、もしかして」
と思わせるところは、さすがです。

いずれにせよ、ルイ・ヴィトンの強みを
象徴する物語になっていて、この逸話によって、
更にルイ・ヴィトンのブランド力は高まっています。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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