活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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Who Gets What(フー・ゲッツ・ホワット)

満足度★★★★
付箋数:25

男女10対10の「婚活パーティー」で、
後悔しないようにパートナーを選ぶには、
どのような選び方をしたらいいのでしょうか?

実は、このパートナー選びについては、
経済学の論文で最適な方法が示されれています。

選び方の手順は次の通り。

最初に男性全員が第一希望の女性に対して
一斉にプロポーズします。

このとき、複数の男性からプロポーズを受けた
女性は、その中で最も好みの男性をキープします。

1人の男性からプロポーズを受けた女性も、
その男性をキープすることができます。

誰からもプロポーズを受けなかった女性は、
第二希望のプロポーズが来るのを待ちます。

次に、第一希望が通らなかった男性のみ、
第二希望の女性にプロポーズします。

ここでプロポーズできる対象の女性は全員です。

つまり、第一希望のプロポーズを受けて、
男性をキープしている女性に対しても、
第二希望でプロポーズできるものとします。

同様にして、希望の通らなかった男性だけが、
第三希望、第四希望と繰り返しプロポーズします。

女性側は、プロポーズしてきた男性をキープ
しているだけなので、最後まで好みの男性からの
プロポーズを待つことができます。

この婚活パーティーの最大のポイントは、
プロポーズを受け入れるのはあくまで暫定的で、
最後までその決定を保留しておくことにあります。

この方式を「受け入れ保留方式」と呼びます。

「受け入れ保留方式」を婚活パーティーで使うと、
どんなに好みが重なったり、別れようとも、
最適のマッチングができるようになります。

このマッチングをアルゴリズムとして示したのが、
米経済学者・数学者のデイヴィッド・ゲールさんと
ロイド・シャープレーさんです。
(ゲール-シャプレイ アルゴリズム)

そして、このアルゴリズムを「研修医のマッチング
制度」として実用化したのが、本書の著者である
アルヴィン・ロスさんです。

シャープレーさんとロスさんは、2012年に
「安定配分理論と市場設計の実践」の功績で
ノーベル経済学賞を受賞しました。
(ゲールさんは2008年に亡くなっていたため、
受賞していません)

本書は、ノーベル経済学賞受賞の経済学者、
アルヴィン・ロスさんによるマッチング理論の
入門書です。

  「マッチングとは、私たちが人生のなかで、
  自分が選ぶだけでなく、自分も相手に選ばれ
  なければ得られない多くのものを手に入れる
  方法を指す経済用語だ。
  イェール大学やグーグルに対して、
   “いまから入学します” とか “これから働きに
  いきます” と一方的に宣言してもどうにもならない。
  またイェール大学もグーグルも、誰が入ってくる
  かを決めることはできない。
  結婚相手を勝手に選べないのと同じで、
  自分が相手を選ぶだけでなく、選んだ相手によって
  自分も選ばれる必要があるのだ。」

かつての経済理論では、市場のメカニズムは、
「需要」と「供給」が一致するように、
「価格」は調整されるものとされてきました。

しかし、現実の社会では価格で調整されないものが
たくさんあります。

最初の婚活パーティーの例もそうですし、
臓器移植、企業への就職や、大学への進学など、
「お金」では買えないものがあるのです。

こういったマーケットで必要なのは、
最適で効率的なマッチング(組み合わせ)です。

本書では、マッチング理論と現実の社会で機能する
マッチメイキングの制度(マーケットデザイン)
についてわかりやすく解説します。

この本から何を活かすか?

アメリカの医師は、NRMP(全国研修医マッチング
プログラム)によって、医師としての最初の仕事を
得ています。

このアルゴリズムを1990年代半ばに再設計したのが、
本書の著者、ロスさんです。

今では、毎年、2万人を超える医師が、
NRMPを使って約4000もの研修プログラムに
割り当てられています。

このプログラムは、日本の研修医のマッチングにも
使われているそうです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 経済・行動経済学 | 08:40 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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