活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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脳はなにげに不公平

満足度★★★
付箋数:25

神経の可塑性を研究することで、脳の健康や老化
について探求している、東京大学薬学部教授の
池谷裕二さん。

本書は最先端の科学論文をわかりやすく
噛み砕き、池谷さんの解釈を加えて紹介する
脳に関するエッセイ集です。

池谷さんは、毎日、新しく公開された論文を
100報ほどチェックするのが日課となっています。

そこまで多くの論文をチェックするのは、
仕事で使うというよりも、最先端の科学情報を
知ることが、池谷さんの知的好奇心を満たすから。

しかし、この最新の論文チェックで、
池谷さんの脳をもっと刺激することがあります。

それは、思わず人に伝えたくなるような、
面白い情報に出会ったときに、
それを自分から人に伝えること。

実は、本書のようなエッセイを書くことは、
池谷さんにとって、仕入れた面白いネタを
人に話してスッキリしたい欲望のはけ口なのです。

なぜ、人は面白い情報を人に伝えたいのか?

ミシガン大学のフォーク博士らは、
この疑問に答えるために、ある実験を行いました。

短いバラエティ番組を24種類用意して、
被験者にその番組を見せます。

被験者には「感動したか」、「よい番組だったか」、
「人に教えたくなったか」の3つの観点で
評価してもらい、同時に見ているときの脳活動を
測定しました。

3つの質問は似ているようで、異なります。

感動したからといって、よい番組だとは限らないし、
よい番組だからといって、人に伝えたくなる
わけでもありません。

実験の結果、それぞれの評価で脳の活動パターンが
異なることがわかりました。

「感動した」と評価したときには、主に前頭葉が
活性化しました。

「よい番組」と評価したときには、側頭葉と
頭頂葉の境界が活性化しました。

そして、「人に教えたくなる」と評価したときには、
両方の領域に加え、報酬回路も活性化しました。

この報酬回路が作動したときは、
「自分だけのものにしておくのはもったいない」、
「私はこんな秘話を手に入れた」と考え、
他人と情報を共有することで、
「快感」を得ているのです。

つまり、とっておきの話を人に伝えたいと思うのは、
相手を思いやってのことではなく、
あくまで自分が快楽を得るための行為なのです。

ツイッターの「リツイート」機能なども、
この快楽を得たいという気持ちを利用したもの。

ですから、本書のようなエッセイ本で、
最先端のとっておきの話を語ることは、
池谷さん自身にとって快感を得る行為なのです。

本書は、週刊朝日の2012年1月6-13日号から
2013年7月26日号に連載エッセイとして
掲載された、「パテカトルの万脳薬」を
再編集したもの。

選りすぐり62本が、まとめられています。

各エッセイには、必ず論文として発表された
科学的根拠がありますが、軽めの文体で、
そういった難しさを感じさせない、
非常に読みやすいエッセイになっています。

ちなみに、「パテカトル」とは、
アステカ文明の神話に登場する神の名前です。

酒の神、ひいては「薬」をつかさどる神として
古代メキシコで崇められた謎めいた存在で、
池谷さんお気に入りの古代神。

本書を読んだ後は、きっとあなたも
仕入れた面白い情報を誰かに話して、
快感を得たくなるはずです。

この本から何を活かすか?

  最も簡単に記憶力を上げる方法

米モントクレア州立大学のプロッパー博士らの
研究によると「手を拳にしてギュッと握る」
だけで記憶力が18%アップすることがわかりました。

手を握るだけなので、非常に簡単ですが、
少しだけコツがあります。

覚える前に「右手」を握りしめて、
思い出すときには「左手」を握りしめます。

この「右手→左手」の順番が非常に大事で、
脳半球の機能が左右で異なることに関連しています。

順番を間違えると逆に何もしないときより、
記憶力が下がってしまうので要注意です。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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