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読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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なぜ疑似科学が社会を動かすのか

満足度★★★★
付箋数:24

  「疑似科学とは、科学の装いをもった現実描写の
  物語である。科学の装いによって信憑性を
  上げている巧妙な物語なのである。
  しかし、だからといって信じていけないわけでは
  ない。個人や社会にとって意義があるのならば、
  信じておくのもよい。
  ただ、そうした物語を “科学である” と誤解して
  信奉してまう面は、疑似科学の大きな問題点である。
  疑似科学を信奉することで、科学まで誤解
  しかねないからである。」

著者は明治大学情報コミュニケーション学部で
疑似科学を題材に科学リテラシーを教えている
石川幹人さん。

石川さんは研究活動の一環として、同大学の
疑似科学とされるものの科学性評定サイト
を立ち上げた方です。

疑似科学を完全に撲滅しようとする考えの人を
「懐疑論者(スケプティックス)」と呼びますが、
石川さんは、疑似科学を許さないという
徹底した立場をとっているわけではありません。

社会で意義ある疑似科学には一目置く
という立場をとっています。

本書では、疑似科学を科学と誤認しないように、
疑似科学が信じられる背景と、それを見抜く方法
について解説します。

  「疑似科学の問題は奥が深い。私たちの生き方
  にも触れる多くの側面をもつからである。
  本書によって読者が、疑似科学に対して、
  そして科学に対しても適切な姿勢で向かえる
  ようになることを望んでいいる。」

科学性の評定結果は、4段階にランクづけ
されています。

 科学:
  諸条件の評価が全体にわたって高いか、または
  部分的に低評価の条件があっても、他の高評価の
  条件によってそれを埋め合わせられる。

 発展途上の科学:
  諸条件の評価が全体にわたって高いとまで
  いえないが、部分的に高評価の条件ががある。

 未科学:
  諸条件の評価が全体にわたって低いが、
  部分的に高評価の条件がある。

 疑似科学:
  科学的な言説をもっているにもかかわらず、
  諸条件の評価が全体にわたってきわめて低い。
  実際のところ科学とはいえないうえに、
  社会的利用には問題をはらむので、
  利用されているならば停止すべきである。

例えば、科学的に裏づけのある薬品に見える
「サプリメント」は、疑似科学にランクづけ
されるものが多いようです。

  「疑似科学評定サイトにおいても、
  サプリメント効果の科学性評定が行われているが、
  半分以上は疑似科学評定となっている。
  現在取り上げられている範囲で、多少なりとも
  科学性が認められるのは “DHA・EPA” のみである」

サプリメントの代表各である
「コラーゲン入りの健康食品」についても、
疑似科学の評定です。

本書が面白いのは、ただ評定を下すだけでなく、
なぜ人はそれを信じてしまうのか、
あるいは、なぜ信じるようになったのか、
心理的な側面からも解説している点です。

人の心理に進化生物学な視点からも迫っています。

人には論理的な説明よりも、感情に訴える物語
の方を信じてしまう傾向があるので、
そういった心理的な特性を知っておくと、
疑似科学に騙されなくなるのです。

本書で扱う題材は、以下の通りです。

  金縛り、幽体離脱、心霊現象、パワーストーン、
  オーラ、お守り、天文学、占星術、オカルト、
  心、遺伝と脳、超能力、心霊、気功の達人、
  御用学者、サプリメント、水ビジネス、
  原発事故と放射線、性格診断、資格ビジネス

非常に広範囲の題材を扱っていて、
疑似科学だけでなく、科学とのつきあい方も
よく分かる本です。

この本から何を活かすか?

  体脱体験は実験装置で体験できる

目にゴーグル型のディスプレーを装着して、
自分の肉体を見下ろす天井位置に設置した
カメラから、自分の行動の様子を見続けると
ある種の体脱体験ができるようです。

もちろん、これは魂が抜けたのではありません。

「自分」という身体感覚は、意外と簡単に、
肉体外へ移動できるようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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