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読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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ダーウィンの覗き穴

満足度★★★
付箋数:23

進化論で有名なイギリスの自然科学者、
チャールズ・ダーウィンさん。

実は、フジツボの分類、珊瑚礁の形成と分化など
でも業績を残して、たとえ進化論の発表がなくても
生物学史上に名を残したとも言われています。

ダーウィンさんは、フジツボに関する
ある発見をしました。

それはフジツボが、動物界で最も長いペニスを
持っているということ。

クリプトフィアルス・ミヌトゥスというフジツボの
雄性性器は、本体の8倍もの長さがあり、
現在でも動物界の最長記録を保持しています。

  「フジツボは岩や船に固着して一生を過ごすので、
  水中に精子を放出しても波で流されてしまう。
  このような環境で近くの個体を受精させるには、
  知覚をもつ長いペニスを伸ばして相手を探す
  しかない。ペニスが長い理由はこれで説明できる。
  フジツボのコロニーが特に熱気を帯びた日には、
  長く伸びた数十本のペニスが “隣人” たちの
  あいだをくねくねと這い、ペニスを差し込める
  すきまがあればすかさず奥を探っているようすが
  見られる。」

本書は生物における生殖器官の進化に焦点を
当てた、学術色の強い本です。

著者のメノ・ スヒルトハウゼンさんは、
オランダのライデン大学の進化生物の教授で、
ナチュラリス生物多様性センターでは、
リサーチ・サイエンティストを務める方。

  「はるか昔から、私たちは性交渉という
  仕組みについて、ただ “そういうものだ” と
  しか思ってこなかった。しかし、私たち自身の
  生殖行動の核心にあるものは、決してデフォルトで
  用意されているわけではない。
  生殖器の進化によって交尾行動の進化の方向が
  決まり、またその逆も起こる。」

生殖器や性をテーマに扱うと、誰にとっても
興味深いテーマであっても、不当な扱いを
受けてきた歴史があります。

ダーウィンさんも『人間の進化と性淘汰』を
執筆する中で、著名に「性」という言葉を
入れさせまいとする出版社に必死で抵抗
したと言われています。

  「秘められた身体のパーツに興味をそそられる
  という事実こそいなめないが、私は一冊の本を
  丸ごとのテーマに費やし、もっと複雑な事柄にも
  取り組むことによって、生殖器研究者がメディア
  から浴びせられる忍び笑いを乗り越えられたら
  と願っている。」

文章はユーモラスな書き方をしていますが、
本書はいたって真面目な進化生物学の本です。

個人的に衝撃的だったのは、カモにもレイプが
あるということ。

カモは一雌一雄で交尾するだけでなく、
しばしば集団で輪姦としか呼びようのない
行動にでることがあるようです。

多数の雄が大声でわめきながら一羽の雌を
追い回して交尾を迫ることがあります。

更に恐ろしいのは、独り身で性的に興奮した
雄ガモにとっては、カモでさえあれば、
雄でも雌でもよく、場合によっては死体でも
構わず交尾をするということ。

そんな生態もあり、マガモの雌はレイプに
抵抗するために、複雑な形の生殖器に進化
しているようです。

マガモの雌の膣は時計回りの螺旋状と
なっていて、雌が筋肉を弛緩させない限り、
雄のペニスの進入が拒まれるように
なっています。

カモのようにレイプが頻繁に起こる種ほど、
複雑な交尾器を持っているようですね。

この本から何を活かすか?

  「セックスに対する関心は、人間の心の奥底に
  根ざしている。この関心を満たせる
  (その一方で、同時に満たされる)ならば、
  生殖器研究者が世間から真剣に受け止めてもらう
  のも難しくないはずだ。しかしそこには問題も
  存在する。」

生物進化上の重要なテーマではありますが、
それを淫猥と受け取られる風潮もありますから、
研究者はその風当たりと闘いながら、
これまでの道を開いてきた様子が伝わってきます。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 科学・生活 | 06:15 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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