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読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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戦後経済史は嘘ばかり

満足度★★★★
付箋数:25

  「過去の事象について間違った認識を持って
  いると、それに影響されて、現在の状況を正しく
  見ることができなくなります。(中略)
  とりわけ日本では、そのことは十分すぎるほど
  十分に気をつけて、自分自身で知的武装をして
  おかねばなりません。なぜなら、この国では
  不思議なことに、間違ったことを主張したり、
  当たらない予測を繰り返しているエコノミストや
  経済学者が、いつまでも淘汰されずに主張を
  繰り返していく傾向にあるからです。」

本書は高橋洋一さんが、「戦後経済史」の
誤った認識を正す本です。

なぜ、「失われた20年」と言われたデフレ不況に
陥ってしまったのでしょうか?

その大きな原因となっているのが「バブル期」に
対する誤解です。

バブル期は、物価がどんどん上がるような、
ものすごいインフレ状態だったイメージが
ありませんか?

バブル期は、どこもかしこも羽振りがよく、
接待に次ぐ接待で大変だったという話を聞きます。

私自身もバブル期の最後で就職しているので、
当時は就活すればするほど儲かるというのが、
学生の常識だったように記憶しています。

そんな「バブルの時のお金の使い方はすごかった」
という話を聞いて、当時は著しいインフレが
起こっていたと認識している人がたくさんいます。

  「しかし、現実は違います。価格が上がっていた
  のは土地や株式など一部の資産価格だけです。
  一般物価はそれほど上がっていませんでした。
   “バブル期はものすごく経済の調子がよく、
  経済成長率も非常に高かった” という認識も
  誤りです。当時の経済成長率は、先進国水準では
  ごく平均的なものでした。」

実際の数字を見てみると、バブル期とされる
1987年~1990年の一般物価の物価上昇率は、
0.1~3.1%で、健全な物価上昇率の範囲に
収まっています。

また、実質GDP成長率も4.2~6.2%であり、
1960年代の毎年10%を超えていた時期と比べても
それほど高かったわけではありません。

バブル期に異様に高騰していたのは、
「株式と土地」のいわゆる「資産価格」だけ
だったのです。

その加熱した資産インフレの主因は、
法律や規制の不備という穴でした。

しかし、そこで日銀はマネーが余剰していると
誤認して、金融引き締めを行い、
市場からマネーを引き上げてしまったのです。

一般物価が上昇している状況では、
有効な施策ですが、実際には一般物価が健全な
状態の中で、余計な引き締めを行ったので、
その後のデフレ、「失われた20年」を
招いてしまったのです。

  「日銀は、引き締めてはいけないところで
  引き締めたにもかかわらず、自分たちの
  したことを正当化しようとしました。
  間違ったことを正当化しようとすると、
  その後もずっと間違ったことをやり続けなければ
  いけなくなります。こうして日銀は、
   “過去の間違い” を正当化するために、
  その後も、ずっと間違いを犯し続け、
  デフレを引き起こし、放置し、どんどん悪化
  させました。」

高橋さんの主張は、すべてデータに基づいて
いるので、非常に明快です。

世間が間違って認識している戦後経済史を、
次々と正していくので、読んでいて痛快。

未来を見通すためにも、読んでおきたい一冊です。

この本から何を活かすか?

1ドル=360円の固定相場時代に為替介入して
いないというのも大きな誤解。

  「固定相場制とは、放っておいても為替レートが
  維持されている制度ではありません。
  どんなに世界中が “1ドル=360円” だと
  認めていて、日本政府が “その相場で固定する”
  と宣言したところで、自動的に為替が
   “1ドル=360円” になるわけではないのです。
  では、どうしていたか。
  実は、1ドルが360円から前後しそうになった時は、
  日本政府が猛烈に為替介入していたのです。」

固定相場についても、かなり多くの人が、
誤解しているようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 経済・行動経済学 | 06:04 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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