活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

PREV | PAGE-SELECT | NEXT


≫ EDIT

若田光一 日本人のリーダーシップ

満足度★★★★
付箋数:23

本書は、小原健右さんと大鐘良一さんの共著で、
2010年6月に刊行された『宇宙飛行士選抜試験』の
続編です。

前著は、2009年に放送されたNHKの番組、
「NHKスペシャル 宇宙飛行士はこうして生まれた
~密着・最終選抜試験~」を書籍化したもの
でした。

今回も「NHKスペシャル 日本人船長
(コマンダー)宇宙へ」を書籍化したものです。

本書の主人公はタイトルにある通り、
宇宙飛行士の若田光一さん。

若田さんは、2013年11月から2014年5月までの
国際宇宙ステーション(ISS)の長期滞在において、
最後の約2ヶ月間、日本人として初めて、
船長(コマンダー)を務めました。

これは宇宙開発の世界では一つの「事件」でした。

  「若田が選ばれるまでISSにはのべ38人の船長が
  いたが、そのほとんどがアメリカとロシアの
  宇宙飛行士だった。ヨーロッパの船長さえも
  たった1人で、アジアは皆無、人間を宇宙に
  送り込む活動、すなわち “有人宇宙開発” に、
  1980年代から本格的に取り組み始めた
  日本にとっては、まさに夢にまで見た悲願だった。
  1960年代に月に人類を送り込んだ宇宙大国
  アメリカ、そして有人宇宙開発のパイオニアとも
  いえるロシアを、日本が率いる立場になるとは、
  誰も思いもしなかった。」

本書は、若田さんが船長に選ばれるまでの訓練、
そして選ばれてから実際に船長を務めるまでの
密着ドキュメンタリー。

前著でも、よくそこまでJAXAへの密着取材が
できたなと関心しましたが、今回はNASAでの訓練
の取材ですから、その驚きは更に大きなものでした。

さすがNHKと言ったところでしょうか。

日本人宇宙飛行士のエースである若田さんでも、
エリートばかりの米露の宇宙飛行士の中では、
それほど突出した能力があったわけではありません。

どちらかと言えば、若田さんは「普通に優秀な」
宇宙飛行士だったようです。

宇宙空間という特殊な環境下の緊急事態でも、
冷静な判断と統率力が求められるISSの船長。

若田さんの前までは、ほとんどが「軍」出身の
パイロットしか船長を務めていませんでした。

異常事態に対処する力を、宇宙飛行士になる前から
職業人として備えていたかどうかが、
大きな差になるからです。

しかし、若田さんは宇宙飛行士に選抜される前は、
日本航空の整備士で、普通のサラリーマンでした。

なぜ、普通のサラリーマンだった若田さんが、
ISSの船長にまで上り詰めることができたのか?

本書は密着取材を通じて、その理由に迫り、
「日本人ならではのリーダーシップ」を
明らかにします。

  第1章 日本人「船長」の誕生
  第2章 船長の仕事
  第3章 緊急対処訓練
  第4章 自分を客観視する力
  第5章 「和」の調和力
  第6章 試される日本人のリーダーシップ
  第7章 次代の船長のために

ドキュメンタリーとしては、「緊急対処訓練」
の章は圧巻の内容です。

そして、本書を読んだ後は、多くの人が、
「自分のなりたいリーダー像」を聞かれると、
若田さんの名前を挙げることでしょう。

この本から何を活かすか?

  「若田であれば船長にしてもいい」

NASAやロシアから船長候補として
名前が挙がった若田さん。

船長としての能力もさることながら、
狭い宇宙ステーションに長期で滞在する
環境の中では、「一緒に宇宙に行きたい」と
思える人柄であることも重要な要素です。

Googleの採用面接で、飛行機が欠航になって、
空港で一晩一緒に過ごさなければならないときに、
その人と夜通し語り明かしたいと思う人物か
どうかを見る「エアポートテスト」があります。

本書から伝わってくる若田さんの人柄は、
Googleの「エアポートテスト」にも、
合格するように思えました。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

関連記事

このエントリーをはてなブックマークに追加

| リーダーシップ | 06:13 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://ikadoku.blog76.fc2.com/tb.php/2651-f0c585d2

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT