活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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戦略がすべて

満足度★★★★
付箋数:22

  「本書は、時事評論の形を借りた、
  “戦略思考” を磨くためのケースブックである。」

著者は、『僕は君たちに武器を配りたい』が
ベストセラーになった瀧本哲史さん。

AKB48、鉄道会社、五輪招致、RPG、ネットビジネス、
新聞誤報、デジタルデバイス、地方創生・・・

本書では24のテーマにつて、その成功の方程式を
解説します。

時事ネタを扱っていますが、大前研一さんの
ように、失敗例を取り上げてダメ出しをし、
代案を示す方式ではありません。

瀧本さんは、話題の事例を取り上げて、
そこから戦略的なエッセンスを抽出し、
今度どうなるのか、どうすべきかを示します。

そもそも意思決定のレベルは、上から「戦略」、
「作戦」、「戦術」の3段階に分かれます。

日本人が注力するのは「戦術」レベルであり、
最上位の「戦略」思考を持った意思決定が
欠けていると、瀧本さんは指摘します。

  「日本人の組織は、意思決定のまずさを現場の
  頑張りで何とか解決しようとする。
  ところが残念なことに、 “戦術の失敗は戦略で
  補うことは可能だが、戦略の失敗は戦術で補う
  ことはできない” というのが戦略論の定石だ。
  だから優秀な現場が無能な経営陣をカバーしようと
  しても、単に現場が疲弊するだけなのである。」

それでは、日本人に足りない「戦略」とは、
一体、どのようなものなのか?

戦略については、様々は定義がありますが、
本書では、次のように解説されています。

  「戦略を考えるということは、今までの競争を
  全く違う視点で評価し、各人の強み・弱みを
  分析して、他の人とは全く違う努力の仕方や
  チップの張り方をすることなのだ。」

戦争では、圧倒的に優位な戦力があれば、
特に戦略を立てなくても、正面から力で
ぶつかって行けば勝てるものです。

その戦力の差を、あるいは不利になった局面を
ひっくり返すのが戦略です。

つまり、戦略とは弱者のためのツールなのです。

もともと戦略は軍事用語ですから、瀧本さんは
名著『失敗の本質―日本軍の組織論的研究』で
指摘されていた、日本軍の例を紹介しています。

日本軍は、初期の成功によって、その状況に
過度に適応してしまい、その後戦況が変化しても、
自己改革と合理性の追求ができなかったことが、
敗戦の一因として挙げられています。

一方、緒戦で手痛い敗北を喫したアメリカは、
その失敗から学び、戦略的に航空戦力を重視し、
資本の差を活かせる兵站を重視した物量作戦に
戦況に合わせて切り替えたことが勝因です。

オリンピックなどでは、日本人が有利になって、
ルールを変えられた競技があります。

しかし、そもそもルールは自分に有利に
変えられるものと考える方が戦略的。

日本人のように、決められたルールは
守るべきものと考えて、その枠内だけで
勝つ方法を考えるのは、戦術思考なのです。

それでは、歴史的に見ても足りない戦略思考を、
私たちはどのように身につけていけば良いのか?

  「多くの問題を解いたり、 “実践” の場に
  出たりして、その成否を検証するプロセスを
  何度も経験することが重要である。」

具体的には、身の回りで起きている出来事や
日々目にするニュースに対して、
戦略的に「勝つ」方法を考える習慣を
身につける必要があるようです。

本書の24ケースの時事評論は、まさにそのお手本。

AKB48を見ていても、ただ応援するのではなく、
戦略的にどのようなシステムで売っているのか、
総選挙にはどんな利点があるのかを考察し、
他のビジネスへの転用を考えるのです。

この本から何を活かすか?

  北海道の地域コンビニチェーン「セイコーマート」

洗練されているとは言い難い、
道民にはお馴染みのローカルコンビニです。

しかし、このセイコーマートの動向が、
大手のコンビニにも注目されていると
本書で紹介されていました。

高齢者が増え、遠くの大きなスーパーよりも
小回りの効くミニスーパー的なセイコーマートが
選ばれる消費者行動が起きていて、日本の未来像を
先取りするモデルとして注目されているようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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| 経営・戦略 | 07:59 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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