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読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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「無知」の技法 Not Knowing

満足度★★★★
付箋数:27

  「信用収縮が進んでいたことに、
  なぜ誰も気づかなかったのですか?」

リーマン・ブラザーズが破綻した後の2008年11月、
ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスを訪問した
エリザベス女王は、名高い経済学者たちにを前に、
手厳しい質問を放ちました。

この女王の質問に答えるべく、英国学士院は多様な専門家や
学者などから話を聞き、書簡としてまとめます。

  「金融危機は不意打ちではなく、むしろ予測可能であった。」

実際に、国際決済銀行(BIS)やイングランド銀行(BOE)は、
度重なる警告を発していました。

では、予測できたにも関わらず、
なぜ、リーマン・ショックは防ぐとこができなかったのか?

  「ほとんどの人は、銀行はみずからの行動を
  わきまえているものと確信していた。」

女王への書簡では、専門家に対する過信が問題だったと
報告しています。

  「関わった個々人はきわめて知性の高い人々だったのに、
  傲慢さと、群集心理と、重要な役割をはたす専門家への
  盲信による集合的失態として、今回の金融危機は生じた。」

私たちが「知識がある」とみなしたことで立ち止まり、
その先にある「知識がない」ことを知る機会を
閉ざしてしまった可能性があります。

これは知識がありすぎるがゆえに進歩できないという
パラドックスに陥っていたということです。

私たちは、知らないことを恐れ、
つい知っている気になってしまうことがあります。

  「私たちが未知を恐れる理由のひとつは、
  自分自身と向き合わざるを得なくなり、自分の弱さ、
  不完全さをつきつけられるからだ。」

本書は、「知らない」ことを受け入れ、考察し、
「知らない」ことを実りあるものにする方法を探る本です。

スティーブン・デスーザさんとダイアナ・レナーさんという
新進気鋭のコンサルタント2人よる共著です。

「知りたいと」という欲望は、抗いがたいものですから、
「知らない」ことを受け入れ、そこに価値を見出すのは、
なかなか難しいことです。

本書では、知りたい欲望を抑えきれなかった例として、
古代ギリシャ神話のプシュケとエロスの物語が紹介されていました。

絶世の美女プシュケは、アフロディーテの息子エロスと
一緒になる条件として、冥府から箱を持ち帰るよう言われました。

「決して開けてはいけない」という箱を抱えたプシュケは、
中身を知りたいという欲求に逆らえず、冥府からの帰り道で
箱を開けてしまい、深い眠りに落ちるという物語です。

日本では、浦島太郎の玉手箱や鶴の恩返しなどが、
知らないままでいることに耐えられなかった、
パターンのお伽話ですね。

「知らない」を受け入れることは、知ろうとしないことや、
無関心でいることではありません。

「知らない」という状態には、知りたいという好奇心や、
未知にものに対する興奮、そしてこれからの可能性があります。

これが、「知らない」という姿勢で対峙することによって
得られる本当の贈り物であると本書では語られています。

浦島太郎や鶴の恩返しの老夫婦も、知ってしまう前の、
「知りたい」と思っていた状態が、最も脳が活性化し、
活力ある状態だったのかもしれません。

この本から何を活かすか?

  「物理的な意味での部屋の片づけは、比喩的な意味でも、
  精神を片づけてスペースをつくり出すことにつながる。
  使っていないもの、有用ではないもの(思い込みや決め付け)を
  どれほど多く抱え込んでいるか、象徴的に理解する手助けになる」

私はこれから年末の大掃除をする予定ですが、
溜まった汚れが、自分の心の中の様子も表していると
実感しながら、キレイにしたいと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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