数字のプロ・公認会計士がやっている 一生使えるエクセル仕事術
付箋数:22
著者の望月実さんから献本いただきました。ありがとうございます。
「私は18年前の1997年に公認会計士の2次試験に合格し、
青山監査法人(現PwCあらた監査法人)からキャリアを
スタートさせました。青山監査法人では監査やコンサルティング
などの業務を通じて多くのことを学びましたが、その中でも
いまだに役立っているのはエクセルを使った仕事術です。
当時学んだ会計基準などの知識は陳腐化しましたが、
エクセルと説明の技術は今でも十分に通用しますので、
一生使える技術といってもよいでしょう。」
本書は望月さんがアカウンティングファームで培った、
ムダなく、ミスなく、センスよくエクセルで資料を作るための
ノウハウを公開した本です。
単にエクセルのテクニックだけを知りたいなら、
いくらでもエクセル本は出版されていますから、
自分レベルに合った本を実際に見て選ぶのがいいと思います。
今の時代なら、わざわざエクセル本を買わなくても、
ネットで検索すれば、知りたいテクニックをピンポイントで
調べることができます。
しかし、それらは資料作りの枝葉末節であって、
根幹ではありません。
本書の価値があるのは、常に資料の「構造」を意識した
視点を持っている点です。
構造を意識しているかどうかは、作る資料のボリュームが
大きくなればなるほど、差になって出てきます。
10行×10行程度の表を作るだけなら、
本書の優位性は感じられませんが、数ページからなる
資料を作るときには、速さ・ミスのなさ・見やすさにおいて、
他のエクセル本に圧倒的な差をつけることができるのです。
何人もが手分けして資料を作るアカウンティングファーム
だからこそ、磨かれたノウハウと言えるでしょう。
ツリー状に情報を整理し、「リファレンスを振って」情報を
上からも下からもつなげる技術は、組織が情報共有しながら、
共同作業を進める上で有効な方法です。
「私がPcWで学んだことの中で一番役立っているのは、
個別の情報である “木” と情報の全体像である “森” を
見比べながら、目標に向かって情報を整理していく技術です。
複雑なエクセルファイルを作る時には構造図を作成しますし、
パワーポイントで資料を作成するときやワードで原稿を書く
ときにも構造図や箇条書き(目次)を使って内容をまとめて
いきます。また、情報をツリー状にまとめておくと情報の修正も
簡単にでき、本書の執筆にもとても役立ちました。」
ちなみに本書の構造(目次)は次のようになっています。
第1部 ミスを少なく仕事を早く終わらせるExcelの技術
第1章 仕事が早く終る便利なテクニック
第2章 知っておきたい表示・印刷の技術
第3章 ムダな作業を減らすエクセル機能
第4章 データ集計・分析に役立つテクニック
第2部 センスを感じさせる資料作成の技術
第1章 センスを感じさせる資料の作り方
第2章 初歩的な関数を使って資料を作成する
第3部 分かりやすく伝える説明の技術
第1章 なぜコミュニケーションが難しくなったのか
第2章 分かりやすく伝えるための説明の技術

何年経っても「エクセルにはこんな機能があったのか」と
思わされることがあります。
本書で私が初めて知ったのは「カメラ機能」です。
これは選択した範囲をボタン一つで画像として貼り付ける
機能です。
画像はリンクされているので、元の内容を変更すると、
貼り付けたデータも変更されます。
最初からツールバーに表示されていないので、
クイックアクセスツールバー等に表示する設定が必要。
どうしてもレイアウトがうまくいかない時に、これを使うと、
思い通りのレイアウトで作ることができるようです。
Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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