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読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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創造的脱力

満足度★★★
付箋数:22

2014年の春、福井県鯖江市の市役所の中に「JK課」が誕生しました。

JKとは、女子高生のことです。
メンバー13人が全員女子高生で、「まちづくり」を行います。

これまでも多くの自治体で、高校生が地域行政に関わるような
取り組みが考えられてきました。

高校生が、商店街の活動に参加するプログラムや、
まちおこしに携わるインターンシップなど。

しかし、JK課の活動は、それら既存の活動とは全く異なるものです。

従来の取り組みは、大人や専門家たちが用意したプログラムに
高校生を参加させるという取り組みでした。

これに対して、JK課では女子高生のメンバーが活動の中心。

女子高生自ら、何をやりたいのか、何をやるべきなのかを考え、
実際に行動に移していきます。

大人は、女子高生のやりたいことを実現させる上での
あくまでサポーターに徹します。

大人が女子高生を使うのではなく、女子高生が大人を使うのです。

このJK課を企画したのが、本書の著者で、
「ゆるいコミュニケーション」を提唱する若新雄純さんです。

女子高生はツイッターを通じた口コミで募集されました。

  「市役所にJK課って、マジなの? ウケる」
  「なんか面白そうじゃね?」

それまで、市役所に一歩も足を踏み入れたことがない、
普通のJKたちが集まりました。

もちろん、「まちづくり」なんて一度も真剣に考えたことは
ありません。

しかし、メンバーとなったJKたちは、学校や大人から与えられた
問題を解くのではなく、自分たちで「問題にした問題」に
取り組むことに新鮮さを感じて、ハマったそうです。

参加したメンバーにインタビューすると、
もし、「JK課」という名称ではなく、「女子高生まちづくり課」
というような名称だったら、参加しなかったと言っています。

様々な批判を浴びながらも、JK課のネーミングを通したのは、
素晴らしいですね。

若新さんは、JK課をサポートする市役所職員の方々に、
「教えない」ことを徹底してお願いしました。

当初、市の職員の方は、服装や髪型は自由でもいいけれど、
挨拶だけはきちんとさせたいという要望があったそうです。

それでも若新さんは、挨拶の指導だけでも「教える・教えられる」
の関係性になってしまうので、そのような指導もしないよう頼み、
「ゆるい」関係性を維持しました。

そんな環境で立ち上げたJK課は、市立図書館の空席情報を
確認できるスマホアプリの考案・運用や、JKスイーツの開発、
まちを美化するピカピカプランやかわいいゴミ袋など、
1年間でさまざまな活動を具体化していきました。

立ち上げた時点では、周囲の大人や一部の学校からは、
「よくわからないから、怪しくて危険」と拒否されたり、
専門家からは「未成年だから話にならない」と否定されていました。

そんな逆風の中でも、JKたちは自分たちの目線からの
自由な発想で、誰もが驚くような実績をあげたのです。

若新さんが、本書で紹介するのは、「白か黒か」とか、
「成功か失敗か」という過度な緊張感を遠ざけた
「ゆるいプロジェクト」の数々です。

ジョセフ・シュンペーターさんが唱えた「創造的破壊」に対して、
若新さんは「創造的脱力」と命名しています。

本書で提唱されるのは、破壊するのではなく、
ゆるめることで社会を変える、脱力的なアプローチです。

この本から何を活かすか?

  週休4日・月15万円の「ゆるい就職」

2014年の夏に、若新さんは、人材サービス会社と組んで、
新卒や20代の若者を対象に「ゆるい就職」という
実験的なサービスを開始しました。

説明会には150名が参加し、早慶MARCH以上の高学歴の若者が、
35%以上を占めていたとか。

若新さんは、卒業したら、すぐに正社員として就職するのではなく、
将来を考えるモラトリアムの期間を、もっと長く提供したいと
考えたそうです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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