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灯台の光はなぜ遠くまで届くのか

満足度★★★★
付箋数:22

19世紀初頭の夜の海は全くの闇で、危険そのものでした。

フランスの調査によると、1817年から1820年の間に、
イギリス海峡だけに限っても、毎年100隻近いフランス船が
行方不明になっていました。

そのうち、嵐で行方不明になったのは、わずか数隻で、
残る船のほとんどは、夜間に座礁して沈没していました。

灯台さえあれば、避けられた海難事故です。

当時、海運大国と言われたフランスでさえ、
全土に設置された灯台はわずか20基のみ。

しかも、そのどれもが光が弱く、ほとんど役に立ちませんでした。

灯台の光は数マイルしか届かず、その光が見えた時には
船はすでに難破していることも多かったのです。

ちなみに、トーマス・エジソンさんが白熱電球を発明したのが、
1879年のことですから、当然この時代の光源はランプの光です。

光を少しでも遠くまで届けるには、全方向に均一に進む光を、
一定方向にそろえる必要があります。

当時の灯台に使われていたのは、パラボラ型の反射鏡でした。

しかし、どんなに傷の少ない鏡でも、当時の鏡の質では、
光の半分が吸収され、反射されるのは半分に過ぎませんでした。

そこで、1788年生まれのフランスの物理学者、
オーギュスタン・ジャン・フレネルさんはレンズ方式の
灯台を考案しました。

フレネルさんが光学の研究を始めた当初は、
ピエール=シモン・ラプラスさんなどの高名な物理学者でも、
光は粒子だと信じていた時代でした。

しかし、フレネルさん光は粒子ではなく波だと主張し、
回析実験によって、波動説が正しいことを実証しました。

そんな後に考案された、レンズ方式の灯台ですが、
開発は困難を極めました。

光の屈折を利用すれば、レンズでも光源から発せられる光を
1つの光束にすることができ、反射鏡よりも圧倒的にロスが少ない
と考えましたが、それを実現するには大きな問題がありました。

できるだけ大量の光を捉え、それらを互いに平行に進ませるには、
非常に大きな角度で屈折するレンズを、
光源の近くに設置しなければなりません。

もともとあらゆる方向に進もうとする光を曲げて、
同じ方向に進ませるには、短い焦点と大きな曲率が必要なのです。

そのためには、端よりも中央がずっと厚いレンズを作る必要があり、
中央が厚くなると、その分損失する光も多くなってしまいます。

また、かなり大きなレンズを光源から離して設置すると、
必要な屈折率を減らせますが、当時そこまで巨大なレンズを
作る技術はありませんでした。

そこで、フレネルさんが考案したのが、
後のフレネルレンズの元になった階段式レンズです。

レンズの湾曲した表面を同心円上で複数に分割し、
平面上に並べて接合したレンズです。

見た目は、ギザキザに見える非常に美しいレンズでした。

フレネルさんは、このレンズの研究を重ね1823年7月25日に、
フランスのコルドゥアン灯台に世界初のフレネルレンズを
設置し公開実験を行いました。

この実験で、フレネルレンズは反射鏡の38倍の光を生み出し、
燃料はわずか半分しか消費しませんでした。

その光は約61km先まで届き、公開実験に詰めかけた船員や
士官たちは、フレネルレンズから発せられる光の輝かしさと
白さに驚愕したと言います。

本書は、フレネルレンズ発明の業績とその後の発展に迫る
ドキュメンタリーです。

フレネルさんの死後の、各国への広がりや歴史上で果たした
役割も魅力的に描かれています。

この本から何を活かすか?

本書の表紙は、一見イラストかと思いましたが、
一等級フレネルレンズを使用した室戸岬灯台の写真でした。

私は本書で、フレネルレンズを初めて知りましたが、
とにかく美しいと感じました。

本書に掲載の表紙以外の写真もカラーにして欲しかった。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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