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読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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限界費用ゼロ社会

満足度★★★★
付箋数:25

  「私が今、こんなことを言ったらどうだろうか?
  25年後には、あなたが家を暖め、家電製品を作動させ、
  職場の機器を動かし、車を走らせ、世界経済を隅々まで
  駆動させるのに使うエネルギーの大部分も無料に近くなる、と。
  それは、自宅や仕事場をマイクロ発電所に変え、
  その場で再生可能エネルギーを採取するシステムを早々と
  採用した数百万の人にとってはすでに現実だ。」

本書の著者、文明評論家のジェレミー・リフキンさんは、
スマートインフラ革命によってもたらされる、
資本主義が衰退した後の衝撃的な未来図を描き出します。

リフキンさんは、欧州委員会、独メルケル首相をはじめ、
各国首脳や政府高官のアドイザーを務める方。

リフキンさんは、広い視野と鋭い洞察で経済や社会を分析し、
その未来構想を提示する手腕は、世界中から高い評価を得ています。

本書で、経済のパラダイムシフトの原動力となっていると
みなされているのが、「IoT(モノのインターネット)」です。

「IoT」とは、Internet of Thingsの略で、コンピュータなどの
情報・通信機器だけでなく、あらゆるモノがインターネットに
つながったり、相互に通信することによって起こる革新です。

これは史上初のスマートインフラ革命で、IoTによって、
生産性が桁違いに飛躍します。

それは、限界費用(マージナルコスト)が、ほぼゼロの世界。

モノやサービスを1つ追加で生み出すコストが、
限りなくゼロに近くなるということです。

  「あらゆる産業や職業分野、専門分野の働き手に
  インテリジェント・テクノロジーが取って代わり、
  企業が文明世界のビジネス活動の多くをより安く賢く効率的に
  行えるようになり、財とサービスの生産と流通における
  労働の限界費用がほぼゼロまで急落したらどうだろう?
  それも現実になりかけており、すでに世界中のさまざまな
  産業や専門機関で、何千人もの働き手が
  インテリジェント・テクノロジーに取って代わられている。」

この限界費用ゼロ社会が更に極限まで進むと、
将来的にモノやサービス自体が無料に近づきます。

つまり、企業はモノやサービスを提供しても利益を
上げられないことを意味します。

これは現在の市場資本主義が根底から覆る大きな転換です。

代わって台頭してくるのが、シェアリングエコノミー。

人々が協働でモノやサービスを生産し、共有し、管理する
協働型コモンズが新しい社会を作ります。

  第Ⅰ部 資本主義の語られざる歴史
  第Ⅱ部 限界費用がほぼゼロの社会
  第Ⅲ部 協働型コモンズの台頭
  第Ⅳ部 社会関係資本と共有型経済
  第Ⅴ部 潤沢さの経済

本書では、机上の理論だけでなく、現在進行形の
3Dプリンティングによる、生産消費者(プロシューマー)の台頭や、
教育分野での大規模公開オンライン講座MOOC(ムーク)などの
事例も紹介しつつ、これからの世界の変貌を予測しています。

本文だけで500ページ近くある、読み応えのある大作です。

また、日本の進むべき道を示す、日本版だけに書き下ろした
特別章も最後に設けられています。

ただここでは、ドイツと日本を比較していましたが、
フォルクスワーゲンの排ガス不正事件があったため、
ドイツに関する記述については、少し懐疑的に思えました。

この本から何を活かすか?

MOOC(ムーク)とは、Massive Open Online Coursesの略で、
インターネット上で誰もが基本的に無料で受講できる
大規模なオンライン公開講座です。

無料でスタンフォード大学やハーバード大学などの
名門大学の講義が受けられ、条件を満たせば修了証も
交付されます。

有名なプラットフォームでは「Coursera」や「edX」などがあり、
日本版はJMOOCが提供しているプラットフォームがあります。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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| 経済・行動経済学 | 09:02 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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