活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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すべての仕事は「肯定」から始まる

満足度★★★
付箋数:24

  「考え足りないことはあっても、考え過ぎて悪いことはない」

本書は、深く考えることの重みを感じさせる本です。
思考は、より内省的、より抽象的な方向を目指しています。

著者はNHKの編成局エグゼクティブ・プロデューサーを務める
丸山俊一さん。

これまで「英語でしゃべらナイト」、「ソクラテスの人事」、
「爆笑問題のニッポンの教養」、「仕事ハッケン伝」などの
異色教養番組を生み出してきた方です。

ちなみに、タイトルにある「肯定」は、本書の根底に流れる
精神であるため、具体的に肯定的考えの重要性が
訴えられているわけではありません。

丸山さんが大切にしている思考の1つが「自分との対話」です。

例えば、ある純文学の小説を読んだとします。

勧善懲悪のハッキリしたストーリーではありませんから、
どのように読みとっていいのかわからず、
すっきりしない読後感になるかもしれません。

今の時代なら、インターネットで検索すると、
「あらすじ」、「テーマ」、「時代背景」、「作者の意図」など
十分な「情報」がすぐにわかり、読みとり方が丁寧に
解説されていることでしょう。

しかし、丸山さんはあえて、「悶々と考える」ことが大切だと言います。

  「もちろん、この “情報” も大事、です。しかし、 “ひとり悶々”
  とする時間が奪われてしまうことによるマイナス、暗闇の中で、
  自分自身と対話するプロセス、そうした数値化できない、
  他の何かに置き換えることのできない過程が失われて
  しまいやすいこと、このことが残念なのです。」

内側に向かって行く思考だと、少し陰鬱になる心配がありましたが、
丸山さんの文体はカラッとしていて、そのような暗さはありません。

これも根本にある精神が、「肯定」だからなのでしょう。

もう1つ丸山さんが大切にしているのが、「抽象化」して考えること。

具体化して考えると、わかりやすい反面、適用範囲が狭くなります。

一方、抽象化して考えると、概念として捉えるため、
わかりやすさには欠けるものの普遍性を持ちます。

  「抽象と具体。 “抽象的に考える” ことと、 “具体的に考える”
  ということ。この2つは思考の両輪です。
  いたずらに “具体的” なものに飛びつくよりも “抽象的” に
  思考を展開することが大事です。そしてさらにいえば、仕事とは、
  抽象と具体の狭間にあるジレンマと向き合うこと、だと思います」

私たちは、わかりやすい「具体」を好む傾向があります。
だから、あえて「抽象」を意識して思考のバランスを取る。

  「抽象的に考えることの大切さは、時代を越えて認識されるべき
  ものであり、この俯瞰して物事を眺めることができる精神こそ、
  養うべきものだと思います。そして俯瞰して眺めることで、
  すべてが相対化して見えるようになり、自然とそこに笑いの精神も
  生まれます。抽象化とユーモアの精神が、自由な思考を保証し、
  新たな展開を開くのです。」

具体思考だと視野が狭くなって広がりを持ちませんから、
新たな発想を生むために、一旦、抽象化して汎用性を高く持ち、
視野を広げてから、最後は再び具体化する。

この具体と抽象の間を行ったり来たりすることが、
思考の両輪を回すことなのです。

この本から何を活かすか?

テレビ朝日「タモリ倶楽部」の人気コーナー「空耳アワー」。

洋楽のフレーズが、あたかも日本語のように聞こえるパートを
募集して、ドラマ仕立ての映像と一緒に紹介するコーナーです。

  「クールな洋楽ほど、コテコテの日本語が貼り付いた瞬間に、
  もうそうとしか聞こえなくなってしまう、あの落差の感覚。」

丸山さんは、この空耳アワーから、「人は、聞きたいように
聞いてしまう」、つまり「脳はだまされやすいものだ」と
認識を新たにしたそうです。

だから、だまされやすい脳が、「一生懸命」やっているだけで、
無条件でそれを良しとする錯覚を起こさないように、
注意すべきと述べられています。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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