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「ネジザウルス」の逆襲

満足度★★★
付箋数:21

「ネジザウルス」という工具をご存じでしょうか?

年間1万丁も売れれば大ヒットと言われる工具市場で、
2002年の発売以来、シリーズ累計250万丁も売れている
驚異的な工具です。

ネジザウルスは、ペンチやニッパーの親戚で、
ネジ頭を掴んで回すことに特化したプライヤーです。

通常、ネジを回すときはドライバーを使いますが、
ネジ頭の溝が潰れてしまったり、長年屋外に放置して
錆びて固まってしまったネジでも、ネジザウルスなら
回すことができて、重宝されているのです。

この工具を開発・発売したのは、大阪にある従業員30名の
小さな会社、株式会社エンジニアです。

もともと、なめたネジを回す工具にはニーズがありましたが、
ただ開発して売るだけでは、ここまでのヒットにはなりません。

ネジザウルスも当初は全く注目されず、ほとんど売れませんでした。

しかし、あるときから人気に火がついて、売れるようになり、
初代モデルでは対応できなかった頭の小さなネジや大きなネジも
外せるように改良して、2代目、3代目を発売しました。

すると各モデルの相乗効果もあり、2008年にはシリーズ累計
40万丁に達しました。

ところが、さすがにここまで売れると売れ行きも鈍くなり、
頭打ちであることが鮮明になってきました。

販売担当者からは「もう飽きた」と、新商品を催促され、
社内でも、もうこれ以上売れないのではないかという
諦めムードが漂いかけてきたそうです。

しかし、本書の著者、エンジニア社長の髙崎充弘さんは、
「まだいける」と考え、4代目「ネジザウルスGT」を発売しました。

なぜなら、工具業界の常識では40万丁売れれば飽和であっても、
日本の世帯数、5000万の全世帯に普及させることを想定すれば、
まだ100倍は売れる余地があると考えたからです。

4代目では頭の出っぱりの低いトランスネジにも対応。

そして「一家に一本、ネジザウルス」をキャッチフレーズにして、
プロモーション用のキャラクター「ウルスくん」も採用し、
マーケティングにも力を入れて販売しました。

その結果、4代目のGTは、シリーズ最大のヒットとなり、
累計250万丁の売上を達成したのです。

本書では、髙崎さんがこのヒットを生む過程で発見した
ヒット商品の法則「MPDP理論」をもとに、
中小企業がヒット商品を生み出すためのヒントを披露します。

MPDP理論は、次の4つの要素からなります。

  ・マーケティング(Marketing)
  ・パテント(Patent)
  ・デザイン(Design)
  ・プロモーション(Promotion)

これは人材や資金が乏しい中小企業が、
知財戦略を駆使してヒットを生み出す方法をまとめたもの。

  「MPDP理論というのは、ヒット商品を生み出すために不可欠な
  要素を表すもので、人間の体にたとえれば、いわば必須アミノ酸
  のようなものと考えていただければ、わかりやすいかもしれません。
  (中略)MPDPという4つの要素を意識した開発や販売促進活動を
  行ったとき、その商品やサービスはヒットする確率が高まる
  という考え方です。」

また、髙崎さんは、32歳のときに家業を継いだ二代目社長なので、
本書は中小企業後継者の悩みも解決してくれます。

この本から何を活かすか?

株式会社エンジニアは、ネジザウルスだけの一発屋ではありません。

同じくMPDP理論を使って開発した工具ハサミ
「鉄腕ハサミGT」を2011年に発売しました。

これは小さくてもパワフルな切れ味を誇る工具ハサミで、
不要になったクレジットカードやDVD、革ベルト、ロープなどの
硬いものでも、わずかな力で切れるようです。

こちらも累積販売数は2015年7月で15万丁に達しています。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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