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読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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ソーシャル物理学

満足度★★★★
付箋数:24

2009年12月に米国防高等研究計画局(DARPA)は、
インターネット誕生40週年を記念して、あるコンテストを開催しました。

それは、北米大陸の合衆国領内のどこかに設置された
10個の気象観測用のバルーンを探し出すコンテストです。

名付けて「レッドバルーン・チャレンジ」。

コンテストの目的は、インターネットとソーシャルネットワークを
駆使して、限られた時間で何かを探しだすための最善の戦略を
見つけることです。

最も早くバルーン10個すべての正確な位置を割り出すことに
成功したチームに支払われる賞金は4万ドル。

コンテストに参加したのは、4000チームにも上りました。

このレッドバルーン・チャレンジで優勝したのが、
本書の著者、アレックス・ペントランドさんをはじめとする、
MITメディアラボのチームです。

優勝タイムは8時間52分41秒でした。

勝負を決めたのは、賞金は4万ドルをどのように分配して、
協力者を募るかという点です。

何せ広大な北米大陸の中から、小さな赤い10個の風船を
探すわけですから、チームメンバーだけで探すのは不可能です。

北米家地球空間情報局のアナリストは、この課題について、
「通常の情報収集手法では解決できない」と評していました。

果たして、ペントランドさんのチームは、どのような方法で
協力者を集め、10個のバルーンを見つけ出したのか?

実は優勝できなかった他のチームの多くは、次のような戦略を
採用していました。

それは、オンラインで数多くの協力者を雇って探す方法。

しかし、この方法ではネットワーク型の組織としては、
それほどうまく機能しませんでした。

一方、MITメディアラボが採用したのは、インセンティブを
次のように配分する方法です。

優勝賞金は4万ドルなので、1個のバルーン割り振りすることが
できるのは4000ドル。

そこで最初に個々のバルーンの正確な位置を伝えてくれた人に、
2000ドルの報酬を支払うことに決めました。

次に、最終的な情報提供者を仲間に引き入れた紹介者には
1000ドルを支払い、その紹介者の紹介者には500ドルを支払い、
そのまた紹介者には250ドルを支払う分配方法を設定しました。

この広く報酬を分配する方法で、多くの人を巻き込み、
有益な情報をうまくネットワーク上に乗せ、
短時間で10個のバルーン発見に成功したのです。

驚いたことに、このアプローチ方法で、
バルーン探索に協力したのは、200万人もいました。

実際にこのチームに協力を申し出た人は約5000人でしたが、
1人ひとりがネットワークを通じて、平均400人もの友人や知人に
風船探しの協力を依頼していたのです。

さて、本書は「社会物理学」が、現実社会に応用できるかを
示した本です。

社会物理学とは、情報やアイディアの流れと人々の行動の
間にある、確かな数理的関係性を記述する定量的な社会科学です。

ビックデータが扱えるようになってから、大きく発展しました。

社会物理学では、ネットワークの中をアイディが
どのように流れるかを見極めるることができるので、
まさに「レッドバルーン・チャレンジ」のようなイベントは
お手のものだったのです。

この本から何を活かすか?

社会物理学が登場する以前の社会科学では、
アンケート調査によって人々の行動を定量化していました。

しかし、アンケートへの回答は主観的で精度が低いことが
問題でした。

一方、ペントランドさんは人々が無意識でとる、
ちょっとした「行動」をデータとして取得。

この「パンくず」のようなデータこそが、社会や人々の行動を
理解するために重要だとして分析したのです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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| 社会・国家・国際情勢 | 06:33 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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