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読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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統計学のための数学教室

満足度★★★
付箋数:21

ビジネスパーソンの間では、ここ数年、「統計学」ブームが
続いています。

きっかけは、2013年1月にに刊行された西内啓さんの
統計学が最強の学問である』でした。

それまで、ビジネス書として出版される統計本もありましたが、
かなり地味な存在でした。

しかし、西内さんの本が出た後の状況は一変して、
統計学やデータ分析はホットなテーマとして、
次々と入門書が刊行されるようになりました。

ところで、世に溢れる統計本を読んで、あなたは本当に統計が
理解できるようになりましたか?

そういった本を読むと、概要は掴めますし、計算はエクセルで
やってくれますから、一定、使えるようになったと思います。

では、あなたは、なぜ相関係数が「-1≦r≦1」になるか
説明できますか?

統計を少し勉強した人なら、相関係数は-1~1の間に
なることは知っていると思います。

しかし、その理由を説明するのは意外と難しい。

これを説明するには、実は中学から高校で勉強する
たくさんの「数学」を理解している必要があるのです。

2次関数の基礎、グラフの平行移動、平方完成、2次関数のグラフ、
2次関数の最大値・最小値、2次関数がX軸と交わらない条件、
2次不等式、2次方程式と2次関数の関係、2次方程式の解き方、
2次方程式が実数解を持たない条件、判別式

これらが分かっていて、初めて相関係数が「-1≦r≦1」に
なることが説明できるのです。

  「統計は道具として便利なのでその使い方だけを覚えてしまおう
  という人が多いようですが、いろいろな統計量に対しての
   “理解” がないと、自分が何をやっているかがわからなくなって
  勉強が先に進まなくなります。」

統計を勉強しはじめた人が、入門本の壁を超えられないのは、
それを支える数学がわからないからです。

本書は、統計学を自学自習するために必要な中学から高校レベルの
数学知識をまとめた本。

著者は多くのビジネス数学本を執筆する永野裕之さんと、
統計の専門家の岡田謙介さんです。

  第1章 データを整理するための基礎知識
  第2章 データを分析するための基礎知識
  第3章 相関係数を調べるための数学
  第4章 バラバラのデータを分析するための数学
  第5章 連続するデータを分析するための数学

例えば、統計の基礎となる「標準偏差」を理解して
使えるようになるには、最低限、「平方根」、「分配法則」、
「多項式の計算」といった中学数学が、
ちゃんと分かっている必要があるのです。

本書は数式が出てこない本ではありません。

部分的に対話形式だったり、きたみりゅうじさんのイラストも
挿入されていて、非常にわかりやすく解説されていますが、
あくまで数式と正面から向き合う本です。

そこに目をつぶっていては、いつまでも統計入門者の域を
出ることはできません。

本書ですっかり忘れてしまった数学の内容を思い出す、
あるいはこれまで避けてきた数学を一度きちんと学ぶと、
統計に対する理解が大きく前進するはずです。

この本から何を活かすか?

あなたは、学生時代に統計を勉強しましたか?

高校では選択単元で、入試に必要ないから学校では
統計を勉強していない人も多いのではないでしょうか。

理系の人は、大学に入ってから統計学を学びますが、
文系の人にとっては、ほとんどやらずにきた分野のはずです。

しかし、2015年に初めて大学受験した「脱ゆとり世代」の高校生は
理系・文系に関係なく、数Ⅰに新設された「データの分析」を
必須単元として学んでいるそうです。

永野さんは、このカリキュラム変更により、
「統計リテラシーは大きな世代間格差が生じた」と指摘しています。

脱ゆとりより前の世代は、格差をつけられている危機感を
持った方がよさそうです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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| 数学 | 08:58 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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