あの人はなぜ、東大卒に勝てるのか
2015年09月24日
付箋数:29
ダイヤモンド社の藤田さんに献本いただきました。
ありがとうございます。
かつて、「頭がいい人」とは、たくさんの知識を
持っている人のことを指しました。
ですから、東大卒のような高学歴であれば、
「頭のいい人」と言われたはずです。
時代は変わって、単なる知識だけならインターネットで
瞬時に調べるられるようになりました。
簡単に知識が手に入れられるようになった時代では、
「頭のいい人」の条件が変わっています。
頭のいい人とは、「学ぶ」ことがうまい人ではなく、
「考える」ことがうまい人。
ところで、あなたは、1日の仕事時間のうち、
どのくらいを「考える」ことに使っていますか?
本書の著者、津田久資さんが研修でこの質問をすると、
「5時間ぐらい」と答える人が多いそうです。
しかし、津田さんは、1日の仕事中に5時間も考えている人は、
まず存在しないと指摘します。
津田さんが定義する「考える」には、フレームワークに
当てはめて戦略を導くことなどは含みません。
それは、フレームワークをオリジナルで考え出した人の、
思考の枠組みを「学んで」、当てはめたに過ぎないからです。
では、考えているとは、どのような状態を指すのか?
「結論を言おう。人が考えているかどうか決めるのは、
その人が書いているかどうかである。」
優れた思考力がある人ほど、膨大に書いています。
あの大前研一さんもメモ魔であると自称していました。
大前さんの処女作『企業参謀
生まれたことは有名ですね。
そして、津田さんが、もう1つ本書で定義しているのは、
「言葉とは境界線である」ということ。
考えるためには、書かなければいけませんが、
その書く言葉には、すべてを2分する機能があると
説明されています。
これにより、本書のメインテーマとなる「論理思考」とは、
対象を「言葉」で書いて輪郭をはっきりさせ、
そのうえで、筋道をつけていく発想法と説明されます。
ひらめきの力ではなく、論理思考によって、
発想のスピードを高めるのが本書の目的です。
第1章 思考のフィールドで勝つ
第2章 思考の幅を広げる
第3章 論理的に考える
第4章 発想率を高める
第5章 発想の材料を増やす
第6章 発想の質を高める実践知
第7章 結論思考の情報収集術
終章 あの人はなぜ、東大卒に勝てるのか?
ちなみに、本書のタイトルは「東大卒に勝つ」と
なっていますが、津田さん自身は東大卒です。
また、マッキンゼーの思考法が本文中に何度も出てきますが、
津田さんはマッキンゼーではなく、ボスコンの出身です。
しかし、本書を読んでいるとそんな些細なことは、
全く気になりません。
津田さんの論理展開に、グイグイ引きこまれ、
読み終わった時には、今まで知っていたフレームワークの
本当の意味での使い方がわかります。
それは、「考えること」の本質を理解したことに他なりません。

パワーポイントの前にワードを起動する
「僕は “まず文章で書きなさい” と指導するようにしている。
自分が伝えようとすることを接続詞を使った文章のかたちに
組み立ててから、スライドに落とし込んでいくようにするのだ。」
イメージだけでプレゼンのスライドを作ってしまうと、
深く考えられていない、浅い内容になってしまうようです。
先に必要なのは、「言葉」で考え尽くすこと。
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