活かす読書
ikadoku

ビジネス書・ベストセラー本・科学本を中心に13年以上、ひたすら本を紹介し続けるブログ。既に紹介した本は3700冊以上。

1行バカ売れ

2015年09月18日
マーケティング・営業 0
満足度★★★
付箋数:24

  「 “売れる言葉の法則” は、1世紀近く前から現在にいたるまで、
  アメリカのコピーライターやマーケッターたちによって、
  となえられています。
  ジョン・ケープルズ、デイヴィッド・オグルヴィ、
  クロード・C・ホプキンス、レスター・ワンダーマン、
  ジョセフ・シュガーマン、ダン・F・ケネディなどなど。
  あなたも1冊くらいはすでに読んだことがあるかもしれませんね。
  ひょっとしたら中にはほとんど読んでいるという猛者も
  いらっしゃるかもしれません。
  そんな読書家のあなたはきっと気づいているでしょう。
  実は書いてある内容はどの本を読んでも
  ほとんど違わないということを。」

では、なぜ、コピーライターの川上徹也さんは、
同じテーマの本があるにもかかわらず、本書を書いたのか?

それは、既存の本よりも、もっとわかりやすく
楽しく気軽に読める本が必要だと思ったからです。

川上さんは、販売にかかわる人だけではなく、
「言葉のチカラ」で仕事や人生を変えたいと思っている人が、
数時間で読めて、一生役立つ本を目指して本書を執筆しました。

その内容は、これまで数多く書かれてきた「売るための
コピーライティング」の本を整理して、古今東西の事例と
からめて、キャッチコピー力について解説したものです。

キャッチコピー力は、「受け手の心をつかむ言葉を見つけ、
短く的確に言い表す能力」のことを言います。

実はこの能力、大きく2つに分けられます。

1つは、「言葉を見つける(What to say)」という部分と、
もう1つは、「短く的確に言い表す(How to say)」という部分。

本書では、どう言うかのHow to sayよりも、
より根本的なWhat to sayに重点を置いて解説します。

  序章 バカ売れ1行のための大前提
  第1章 なぜ人は新しい情報が好きなのか?
  第2章 あの掃除機が売っているモノ
  第3章 いくつになってもモテたいのは、なぜ?
  第4章 悩みやコンプレックスの経済効果
  第5章 なぜデメリットを言われると買いたくなるか?
  第6章 思わず反応してしまうキャッチコピー10の型

本書で、私が興味深かったのはバレンタインデーの事例です。

もともとバレンタインデーは、欧米で恋人たちの日として、
カードを贈りあう習慣がありました。

メリーチョコレートは、その習慣を知り、
1985年に日本で初めて、バレンタインセールを行いました。

しかし、結果は3日間で売上たった170円と惨敗。

翌年、メリーチョコレートは諦めずに、
次のキャッチコピーをつけて、再挑戦します。

  「年に1度、女性から男性へ愛の告白を!」

当時は、女性から男性へ告白することが珍しかったので、
このコピーはセンセーショナルを起こしました。

そして、他の菓子メーカーも追随する形で一大ブームとなり、
次第に新しい習慣として定着することになりました。

時代は代わって2013年。

バレンタインで展開している、ある菓子メーカーの
キャンペーンがネットを中心に話題になりました。

  「一目で義理とわかるチョコ」

これはブラックサンダーでお馴染みの有楽製菓が
仕掛けたキャンペーンです。

多くの菓子メーカーが「本命チョコ」に訴求しているのに対し、
ブラックサンダーは、「義理チョコ」であることをアピール。

今の時代、働く女性にとっては、本命チョコよりも、
職場で配る義理チョコの方が頭を悩ます問題だったので、
このコピーが受けたようです。

この本から何を活かすか?

キャッチコピーが、スルーされないポイントは、
「自分と関係がある」と思ってもらうこと。

そのために、本書では、「何を言うか(What to say)」の
5Wが示されていました。

  W1 ニュースを知らせる
  W2 得することを提示する
  W3 欲望を刺激する
  W4 恐怖と不安でやさしく脅す
  W5 信用を売りにつなげる

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
関連記事

気に入ったらシェア!

ikadoku
この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

コメント0件

コメントはまだありません