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心臓外科医がキャリアを捨ててCEOになった理由

満足度★★★
付箋数:22

転職の世界には「35歳限界説」という言葉があります。

しかし、本書は39歳から本当のキャリアを歩んだ女性の話しです。

その女性とは、米国法人テルモハートの社長兼CEOを務めた
野尻知里さんです。

もともと野尻さんは、京都大学医学部を卒業し、
心臓外科医としてのキャリアを歩んでいましたが、
米国留学からの帰国後、人工心臓の研究を続けたいという
思いが強くなり、医療機器の製造・販売の大手メーカーの
テルモに転職します。

手術で救えない重篤な心臓病患者を救う道は、
心臓移植と人工心臓を用いた治療の2つしかありません。

野尻さんが、テルモに転職を決断した当時、
心臓移植はまだ一般的ではありませんでした。

そこで野尻さんは、高性能な人工心臓を開発し、
外科手術で救えない人を1人でも多く助けようと決心したのです。

心臓外科医からテルモへの転職は、周囲からキャリアダウン
とも言われました。

  「心臓の機能が弱くなったり、心臓に疾患を抱えたりした
  患者さんを手術で救うのには限界があるが、人工心臓があれば
  今よりもっとたくさんの患者さんを救うことができる。
  心臓外科医の道を捨ててでも開発に取り組む価値は十分にある
  ― 私はそう考え、医師から研究者に “路線変更” をしたのです」

実は、野尻さんが心臓外科医としての道を歩むまでも、
ずいぶん紆余曲折がありました。

京大理学部に入学するも、当時、女性では卒業後の進路が、
学校の先生か、お茶くみしかないと言われ、医学部を再受験。

京大医学部を卒業後は、心臓外科を志していましたが、
最初は「女性である」という理由で、希望する医局に
採用してもらえなかったそうです。

それでも、いくつかの病院に勤め、夢を諦めず追い続けた結果、
念願の心臓外科医のキャリアを歩んでいるところでした。

野尻さんが、キャリアと格闘していた当時は、
今の時代よりも、至るところで「女性としての壁」が
高く立ちはだかっていました。

そうした経験をもとに野尻さんは、
本書で「女性が成功するための6ヶ条」をまとめています。

  第1条 頑張りは男性の3割増しで
  第2条 「男のような女」にはなるな
  第3条 上司にかわいがられる部下になれ
  第4条 上司と衝突を恐れるな
  第5条 「女性として」の前に「人間として」どう働くかを考えよ
  第6条 仕事を辞めたくなったら、理由を書き出して分析せよ

野尻さんは、一度、ワクワクすることを見つけたら、
その道に進むことには抑えきれない性格です。

それが、原動力となり、実際に心臓外科医から、
メーカーの人工心臓開発のチームリーダーに転身し、
更にはCEOにまで登り詰めました。

野尻さんの「未来は、何歳からでも変えられる」という信念は、
今、キャリアを変えるかどうか思いきれず迷っている人の
背中を押してくれるはずです。

この本から何を活かすか?

野尻さんの母校は、府立北野高校ですが、
その先輩には、手塚治虫さんがいます。

手塚さんと言えば、医師免許を持っている漫画家で、
名作『ブラック・ジャック』を生み出しました。

手塚さんが北野高校で講演を行った際には、
医師と漫画家のどちらの道を選択するか決断した時の
エピソードなどを語ったそうです。

野尻さんが、心臓外科医のキャリアを捨てる決断をする際にも、
手塚さんの講演の言葉が影響しているのでしょう。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 09:21 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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